ネットで学ぶ発音教室
 

 
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構音障害のいろいろな側面


<コミュニケーションの中の構音障害>
音は、音声言語(話し言葉)の中に存在します。音声言語は、人と人とがコミュニケーションをしようとするときに用いられる最も代表的で簡便な道具(ツール)です。

人がある人とコミュニケーションをしようとするとき、そのために用いられた道具である音声言語を発することは、幾段階もあるコミュニケーションの過程の最も最後の段階です。と同時に、受け手(受信者、聞き手)にとっては、発せられた音声言語を受け(聴き取って理解し)それに応えてコミュニケーションを先へ先へと続けていく際のスタートにもなります。その受け手の中には、自分の発した音声言語を発しつつ聴き取り、吟味して必要に応じて修正をするためにまた会話の中で発信する伝え手(発信者、話し手)自身も含まれます。

従って、人がある人とコミュニケーションをしたいという意思を持ち始めたところから、実際に音声言語を発するに至るまでの過程のどこに障害があっても、音声言語は障害され、コミュニケーションの道具としての機能を上手く果たすことが出来ません。

音声言語の障害には、様々なものがありますが、それが音にあらわれたものが構音障害です。

 

    図 コミュニケーション過程の中の音声言語 工事中

<「ことばの教室」の中の構音障害>

絵文字:星「ことばの教室」が相談や指導の対象としている障害種の中で割合として最も多い

 「ことばの教室」には、ことばやきこえの障害(不安・悩み・・・)を主訴に様々な困難を持った子ども達やそれを取り巻く人々が大勢相談に来たり指導を受けに来たりしています。それを障害種の別に分けた時、最も大きな割合を占めるものが構音障害です。

 そして、この第一位の座と割合の高さは、発達障害が脚光を浴びいろいろと話題に上るようになった昨今も、変わることがありません。

構音障害を主訴に相談や指導のために「ことばの教室」を訪れる子ども達は、今も昔も常にいて、しかも割合の上で最も多いという不動の地位を保っているのです。

絵文字:星「ことばの教室」で相談や指導を受けるという例が多い

他の言語障害が「ことばの教室」以外の場でも相談や指導を受けてきたり並行して受けていたりすることが多いのに対し、構音障害は、専ら「ことばの教室」のみで指導を受けることが多いのも特徴的です。

それは、構音障害が話し言葉を発するようになってしばらく時を経てから気にされるようになることが多いということと関係があります。

学校に通うようになってから構音障害ではないかと思われるようになり、自校内や近隣の設置校の「ことばの教室」に通い始めた場合、この子は、もっぱら「ことばの教室」の教師による指導を受けることになります。
 
<学校の中の構音障害>

絵文字:星改善に対するニーズが高い

構音障害は本人を含む聞き手に音の誤りとして聴取されます。話せば露呈します。話すということはコミュニケーションをしようという時最も多用される手段です。人は社会的な動物。人との関係の中で生活を送っています。従って人と人とが話し言葉を用いてやり取りしコミュニケーションをしようとする社会生活の中では、話すことから免れることが出来ず、構音障害は隠し通せません。

本人にも自覚があり、それを取り巻く周囲の人々(保護者、その他の家族、親戚、学級担任、友人など)も気付いていて、時には気にしており、何とかできるものなら何とかしたいという改善へのニーズが高い場合が多いです。

本人や周囲の人々が構音障害の他にはこれといった問題や困難を感じていない場合、そのニーズはますます高まります。

また、多くの場合、出来るだけ早く確実に治したいと望んでいます。