ここではいわゆる「耳の訓練」について解説します。
子どもがある音そのものをつくることができず他の音に置き換えて構音していたり、
置き換えてはいないが、ある音の構音の方法や構音点が本来の構音方法や構音点と
異なっているために、産生された音に歪みが生じていたりして、
誤った音として構音されているものを正しい方法による明瞭な構音に改善していくためには、
本来構音するべき音と誤って構音された音との違いを聴き分けることができることが必要です。
(指導者が発するモデルとなる音を、子どもに聴かせ与えて模倣させながら、
子どもが構音している誤音から段階的に少しずつ変化させて正しい音に近づけていく指導法では、
その時々のモデルの音と誤音との違いを聴き分けることができることが必要です。)
<耳の訓練を開始するに当たって>
この聴き分けの力の前提となる能力(レディネス)として考えられるものは、
・注意を集中し、それを持続することが出来る能力
・指導者に注目し傾聴することが出来る能力
・指導者の指示を理解し従おうとすることが出来る能力
などです。