<搬化・定着のための指導>
それ一つの音で出せるようになったらその安定を図ります。
前後にいろいろな単音を付けて組み合わせ、意味のない音のつながりの中で練習します。
3音以上のつながりでは 真ん中の音としての練習が可能です。
つける音によって難易度が変わります。
母音、子音、その中でも同じ後続母音をもつ子音、構音点や構音方法が同じ子音などの
様々な組み合わせや、語内位置、発話速度など
いろいろな条件下で十分に練習を積み習熟させます。
また、これまで誤って置き換えていた音と組み合わせての練習も必要です。
意味のない音のつながりの中で安定が得られたら、ターゲットの音が初めにつく単語、
最後につく単語、真ん中につく単語の中で練習し、次第に発話の量を増やしていきます。
ターゲットの音や誤って置き換えていた音を多く含む文章を音読したり暗唱したりする、
早口で繰り返すなど、負荷を掛けても誤りが見られなくなることを目指します。
指導の実際→搬化・定着のための指導
<自己修正力を育てるための指導>
構音指導の中では自己修正力を育てることも大切です。
発話の中で自分や指導者の構音の正しさを吟味して誤りや曖昧さに気づき、
必要があれば誤りを修正することができるための力を育てます。
誤りの自覚については、始めは指導者の誤りに気付くことができる段階から、
やがて自分の誤りに気付くことができるようにと指導を進めます。
また、直接「違うよ」などと音の誤りや誤った音を指摘されたり、
何らかのサインを送られたりして気付く段階から、言った途端に自ら気付く段階へと指導します。
自己修正については、モデルの音を聴いたり、構音の方法を観たりしてできる段階から、
工夫や努力なしに1回で出来る段階へと指導します。
<指導終了の目安>
本人や保護者の希望、転校や進学などによって早期に終了することが求められた場合、
どのような状況下でもまったく誤りなく構音出来るまでに搬化、定着をみなくても、
必要が生じたときに意識して言おうとすれば、
1回から数回の試みで正しい音に達することができる力があるかどうかが
終了可否の目安となります。