<構音障害とは?>
構音障害とは、聞き手・話し手が属する言語社会における音韻体系の中で、
話し手が同年齢の人が正しく構音できる音を誤って構音しており、
聞き手に不自然な印象を与えてしまう状態。
あるいは、話し手自身が自分の構音を誤っていると感じる状態。
聞き手が、話し手が伝えようとする内容よりも、
そのためのコミュニケーションツール
として用いているものの方に注意が注がれてしまう状態が言語障害であり、
それが特に音声言語の音にあらわれているもの。
音が誤っている=構音障害 ではありません。
構音の誤りは、正常な構音発達の過程でも多く見られるものです。
知的発達に遅れがあり言語発達にも遅れが見られ、
構音の発達にも遅れが見られる場合はどう考えたらいいの?
生活年齢(歴年齢)に比べて言語発達に遅れは見られるものの、
その発達段階で当然構音可能であると期待される構音が誤っていれば、
言語発達の遅れと構音障害が重複していると考えます。
<構音発達とは?>
全ての子どもが、日本語の中にある全ての語音を、
あるとき一度に、誤りなく構音できるようになるわけではありません。
構音の発達には順序性があると言われています。
構音の完成時期については、幾人かの研究者が研究の結果をまとめていますが、
一般的に視覚的に確認しやすく動きがダイナミックな、両唇破裂音は早期に習得され、
s,ts,dz,rの習得は、5歳前後になってからと言われています。
この表は、正常に発達をしている子ども達が、およそ何歳位の時にどのような音を獲得するようになるか ということを表しています。
研究者によって調査の結果にバラつきはありますが、たとえばサ行やラ行の音などは、5歳を過ぎても、まだまだ多く子ども達が発音できるようにはなっていないということが分かります。
もし、発音の発達を支える知的発達等に遅れがあれば、発音の発達にも遅れが生じることがあります。年齢に照らして、お子さんの発音の獲得の状況や、獲得が期待されうる音がどのような音であるかをみるとき、その年齢が意味するものは、実際のお子さんの年齢ではなく、お子さんの知的発達の程度に見合った年齢ということになります。
構音の習得過程では、子音の省略や、獲得が遅い音を構音点や構音方法が近い音へ置き換える誤りが見られます。
同じ音でも、語によって正しく構音したり誤ったり、
同じ語の中でも、ある時は正しく構音したり誤ったりと、
浮動的であることが特徴です。