舌先で口蓋を前後にたどらせます。
<舌小帯短小(短縮)症との関連>
舌を持ち上げたとき、舌の裏側と下顎の歯肉につながる底面(口底)が観察されます。
舌の裏側の正中と口底の正中とを結ぶひだを「舌小帯」と言います。
これが舌の先の方、または口底の歯に近い方に着いていて短い場合を「舌小帯短小症」と言います。
これがあると、舌の運動は制限され、舌を出来るだけ出すように求めると、
正中がつれてハート型になります。
しかし、ハート型になるような例でも、口の開き方を少なめにするなどして舌先を上顎前歯の
裏あたりまで挙げて使うことが出来れば、rの構音は可能であり、舌小帯短小症が構音障害や
その改善のための伸展術の対象となることはほとんどありません。
<舌の機能の検査や、rの構音指導のワンポイントアドバイス>
舌先を挙げることが出来るかどうかを調べるときには、
口を大きく開けた状態で出来るかどうかを観ることが必要です。
しかし、口頭命令や検査者が実際にやって見せるなどの方法により、
子どもの注意を舌先を挙げることに向けさせると、下顎を動かし、口の開け方を小さくしてしまう可能性があります。
そこで、舌先を上顎前歯の裏に着けさせ、その状態で下顎を下に引いて口を大きく開けることを求めると、
下顎の動きと切り離して舌の運動機能を調べることが出来ます。
r音の搬化定着のためには、下顎の動きの助けを借りず、舌先を独立させて動かせることが必要です。
そこで、下顎の動きを制限して舌先を動かす練習をします。