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国立特別支援教育総合研究所
 

2019年度前期 NISE免許法認定通信教育シラバス

  
 
視覚障害児の教育課程及び指導法

番号

映像講義名
担当講師(所属)

講義概要

事前学習・事後学習

『視覚障害の基礎知識』 


田中 良広
(帝京平成大学)

 視覚障害の定義とその分類として、眼疾患、視機能障害といった概念や、盲、弱視の違いを説明する。また、視力障害による行動や発達への影響を取り上げ、情報の制限が知識の不足をもたらし、行動の制限が実体験の不足をもたらすこと、さらに知識の不足と実体験の不足は、外界へ働きかける力が不足し、結果として、知的発達、身体発達、社会性の発達等に影響を及ぼすことに触れる。最後に、視覚障害のある児童生徒への対応方法について、視覚障害のある児童生徒に対して自己効力感を高めるような働きかけを行う必要性について述べる。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
1 「視覚障害学入門」を通して視覚障害の特性を整理するとともに、視覚
障害が及ぼす影響について理解を深めておくこと。
2 視覚障害のある児童生徒の自己効力感を高める働きかけについて、自校の幼児児童生徒に照らし合わせて、その内容を考えておくこと。

『視覚障害のある子供の教育の場と
教育課程の編成』


田中 良広
(帝京平成大学)

 視覚障害のある子供の教育の場と就学先決定のしくみ、及び合理的配慮の提供について論じる。また、視覚障害者を教育する特別支援学校における教育課程の編成と留意事項についても触れる。その他、弱視特別支援学級及び通級指導教室における教育課程の編成について、特別な教育課程の編成、特別な教科書の使用など、具体的な内容を説明する。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
1 「共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特
別支援教育の推進(報告)」に目を通し、基礎的環境整備と合理的配慮の
違いやそれぞれの内容について整理しておくこと。
2 「特別支援学校学習指導要領解説総則等編」の特に、自立活動について視覚障害のある幼児児童生徒に対する内容について、6区分26項目との関連を整理しておくこと。

『発達段階に応じた指導Ⅰ
(乳幼児期・幼稚部)』


金子 健
(国立特別支援
教育総合研究所)

 視覚障害がある場合の発達段階に応じた指導として、乳幼児期および特別支援学校(視覚障害)幼稚部における指導について論じる。視覚障害がある場合の乳幼児期における発達上の課題について述べた後、その教育的対応の基本と実際について述べ、最後に同幼稚部での指導を取り上げる。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
1 乳幼児精神発達診断法や広D-K式視覚障害児用発達診断検査の検査項目を調べてみること 
2 特別支援学校学習指導要領解説総則編の幼稚部教育要領解説の部分や自立活動編を読んでみること
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/youryou/1278527.htm

『発達段階に応じた指導Ⅱ
(小学部・中学部・
高等部普通科・専攻科)』


大内 進
(国立特別支援教育総合研究所)

 視覚障害がある場合の発達段階に応じた指導として、小学部、中学部、高等部普通科、及び専攻科の指導について論じる。具体的には、就学先の選定、視覚障害教育の概況、盲児、弱視児への指導と留意点について述べる。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。 

・事後学習
 1 関連文献を参照して、インクルーシブ教育体制における視覚障害児童生徒の教育と就学支援について、さらに理解を深めること
関連文献:
香川邦生編著・猪平真理、大内進、牟田口辰巳著:「4改訂 視覚障害教育に携わる方のために」、慶應義塾大学出版会、2010

『各教科の指導Ⅰ
(国語・算数・数学)』


澤田真弓
(国立特別支援教育総合研究所)

大内 進
(国立特別支援教育総合研究所)

 特別支援学校学習指導要領の各教科(視覚障害)の記載内容について、国語科の立場から考える。また、見えない、見えにくいという視覚障害特性を踏まえた国語指導、特に言葉と概念を結びつけた指導と漢字・漢語の指導について概説する。
算数・数学については、指導の目標及び内容、視機能の程度への対応、指導上の留意点、教材教具について述べる。

(国語)
・事前学習

 印刷教材に目を通しておくこと。 

・事後学習
 1 放送講義内容を振り返り、理解が不足している部分については復習すること。特に講義の最後に行う理解度チェックテストで間違った事項については十分な復習を行うこと。また、参考文献によってより深く学修することが望ましい。

(算数)
・事前学習

 印刷教材に目を通しておくこと。 

・事後学習
  1 算数・数学に関して、指導計画や内容の取扱い、指導上の留意点を詳しく学びたい方は、「文部省:特殊教育諸学校学習指導要領解説編―盲学校編―, 1993」を参照すること。
 2 具体的な指導法や教材教具についてより詳しく学びたい方は、「大内進:視覚障害教育における算数指導の基本とポイント, 国立特別支援教育総合研究所, 2010」を参照すること。
放送講義内容を振り返り、理解が不足している部分については復習すること。特に講義の最後に行う理解度チェックテストで間違った事項については十分な復習を行うこと。また、参考文献によってより深く学修することが望ましい。

『各教科の指導Ⅱ
(社会・理科・英語)』


田中 良広
(帝京平成大学)

 本講義では、まず視覚障害者を教育する特別支援学校における各教科の配慮点について、学習指導要領に基づいて解説する。次に、このことを踏まえて教科指導に関して、社会、理科、英語の3教科について、特に視覚障害のある児童生徒にとって、困難な学習内容と留意すべき事柄を焦点化して指導上の留意点等を解説する。社会については地図学習を、理科については観察と実験を、そして英語については英語の読み書きと英語辞書の活用について、重点的に説明する。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。 

・事後学習
 1 「中学校学習指導要領解説社会・理科・外国語編」によって、社会、理科、英語のそれぞれの目標を確認しておくこと。
 2 「特別支援学校学習指導要領解説総則等編」によって、視覚障害のある児童生徒に各教科における配慮事項等を確認しておくこと。

『各教科の指導Ⅲ(図画工作/
美術及び家庭/技術・家庭)』



土井幸輝
(国立特別支援教育総合研究所)

 視覚障害のある児童生徒に「図画工作/美術」及び「家庭/技術・家庭」の指導を行う際に把握しておくべき内容を理解するためのものである。講義の前半は「図画工作/美術」を取り上げ、特別支援学校の学習指導要領での該当箇所や教科の目標について確認したうえで、実際の指導で必要な視点や配慮事項について触れ、次いで、工作、造形、描画等に関する指導例を取り上げる。後半は、「家庭/技術・家庭」について、同様に論じ、裁縫、調理、情報等の指導例を取り上げる。

(図画工作/美術)
・事前学習

 印刷教材を熟読し、必要に応じて不明な文言は調べておくこと。

・事後学習
 1 事後学習に関する関連情報として、絵画鑑賞のための半立体翻案絵画の研究事例を講義の中で取り上げる。全盲の児童生徒が絵画を鑑賞する場合、主に言葉による説明を行うことになる。近年は美術館や博物館で触察して作品を鑑賞できる機会が増えてきた。しかし一方で、視覚障害者向けの教材開発研究として、平面絵画を立体的に再構成した半立体翻案絵画の制作と鑑賞に関する研究も行われている。こうした作品は、触察の際に丁寧な解説を用意することで、絵画を十分に鑑賞できるようになる。鑑賞した作品のイメージを友達同士で共有することもできる。事後学習では、半立体翻案絵画を作成できるとしたら、視覚障害のある児童生徒のために、どのような絵画を題材に取り上げたいかを考えること。

(家庭/技術・家庭)
・事前学習

 印刷教材を熟読し、必要に応じて不明な文言は調べておくこと。

・事後学習
 1 事後学習では、便利な用具や製品等を販売し、関連する情報を提供している以下の2つの機関のWebサイトを閲覧しながら、便利な用具や製品の情報を収集し、それらの理解を深めること。①は、社会福祉法人日本点字図書館である。本図書館では、点字図書ばかりでなく、生活する上で便利な用具についても多数販売している。日本点字図書館のWebサイトを通じて、通信販売もしている。②は、公益財団法人共用品推進機構である。本機構は、便利な用具や製品に関する情報を提供している。ユニバーサルデザインに関する情報についても公開されている。
①社会福祉法人日本点字図書館 Webサイトhttps://www.nittento.or.jp/
②公益財団法人共用品推進機構 Webサイトhttp://www.kyoyohin.org/ja/index.php

『各教科の指導Ⅳ
(音楽・体育/保健体育)』


金子 健
(国立特別支援教育総合研究所)
土井幸輝
(国立特別支援教育総合研究所)

 視覚障害のある児童生徒に「音楽」及び「体育」と「保健体育」の指導を行う際に把握しておくべき内容を理解するためのものである。講義の前半は「音楽」を取り上げ、特別支援学校の学習指導要領での該当箇所や教科の目標について確認したうえで、実際の指導で必要な視点や配慮事項について触れ、次いで、指導例として、歌唱や器楽の指導等を取り上げる。後半は、「体育」と「保健体育」について、同様に論じ、指導例として、走動作、水泳、サウンドテーブルテニス等を取り上げる。

(音楽)
・事前学習

 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
 1.音楽の教科書や、音楽教育の書籍をみて、視覚障害がある場合、どのようなことに困難があるか、その困難への対応としては、どのようなことがあるか、検討してみること。
 2.点字楽譜について、「点字楽譜の手引き」(文部省,1984)や下記サイト等で、その表記法や利用の仕方等を調べること。
点字楽譜利用連絡会Webサイトhttp://brmusic.jp/ 

(体育/保健体育)
・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
 1 視覚障害者と晴眼者が一緒にプレイできるように考案された球技で、6人制バレーボールを参考に作られているフロアバレーボールがある。事後学習では、日本フロアバレーボール連盟のWebサイトを閲覧し、自身でプレイすることもイメージし、フロアバレーボールを通して障害者スポーツの理解を深めること。
日本フロアバレーボール連盟 Webサイト http://www.jfva.org/

『重複障害教育Ⅰ(概論)』


菅井裕行
(宮城教育大学)

 視覚障害を伴う重複障害(以下、「盲重複障害」とする)の児童生徒等に対する指導の基本的事項について論じる。盲重複障害の定義、実態等について述べた後、その教育的ニーズ、アセスメントの方法、発達上の課題等について述べる。そのうえで、その教育的対応の基本について論じる。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
 1 盲重複障害におけるコミュニケーションの課題を整理すること
 2 視覚障害と聴覚障害を有する盲ろうについてその独自性を理解すること
 3 盲重複障害教育で活用できる教材・教具について理解すること

『重複障害教育Ⅱ(実践編)』


石沢直子
(東京都立八王子盲学校

 視覚障害を伴う重複障害(以下、「盲重複障害」とする)の児童生徒等に対する特別支援学校(視覚障害)における指導の実際について論じる。その教育課程、実態把握について述べた後、指導の実際として、教材・教具を用いた指導、言葉の学習、教室の環境作りについて論じる。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
 1 子供と一緒に学習することをとおして見えてくる変化と課題について、記録をし、検証していくこと 
 2 一人一人の子供に合わせた教材・教具の作成、使い方の工夫を検討し、実践すること

『自立活動Ⅰ
(実態把握・検査法等)』


金子 健
(国立特別支援教育総合研究所)

 視覚障害がある場合の自立活動の指導における、実態把握及び検査法等について論じる。自立活動と実態把握の関係について述べた後、各種の視覚検査、発達検査等による視覚障害幼児児童生徒の実態把握について述べ、さらに、感覚の活用状況の把握、概念形成の状況の把握について述べる。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
 1 眼科学の書籍で、視覚検査について、より理解を深めること 
 2 広D-K式視覚障害児用発達診断検査やフロスティッグ視知覚発達検査の検査項目及び検査方法を調べてみること

『自立活動Ⅱ(盲児童生徒:
点字の初期指導・歩行指導)』


 

澤田真弓
(国立特別支援教育総合研究所)

 (点字)
点字の歴史について概観し、次に点字のしくみや点字の表記、点字の特徴について講義する。これらを踏まえて、点字学習を開始する前の指導から点字の触読や書きの指導について解説する。

(歩行)
視覚障害児童生徒の「歩行指導」とは何かについて考え、歩行に必要な諸能力や歩行指導の個別の指導計画を作成するに当たっての考え方について解説する。

(点字)
・事前学習

 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
 1 放送講義内容を振り返り、理解が不足している部分については復習すること。特に講義の最後に行う理解度チェックテストで間違った事項については十分な復習を行うこと。また、参考文献によってより深く学修することが望ましい。

(歩行)
・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
 1 放送講義内容を振り返り、理解が不足している部分については復習すること。特に講義の最後に行う理解度チェックテストで間違った事項については十分な復習を行うこと。また、参考文献によってより深く学修することが望ましい。

『自立活動Ⅲ(弱視児童生徒:
文字指導・視覚補助具の活用)』


田中良広
(帝京平成大学)

 弱視と盲の児童生徒に対する文字指導について、書字技術の課題とそれに応じた指導について論じる。また、視覚補助具を用いた指導について、代表的な視覚補助具である弱視レンズ、近用弱視レンズのルーペ、遠用弱視レンズの単眼鏡、さらに弱視レンズ以外の視覚補助具に触れ、使用する際の要点を説明する。また、指導教材を作成するに当たっての注意点、指導結果の評価方法にも言及する。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習

 1 「親と教師のための弱視レンズガイド」によって、近用弱視レンズ、遠用弱視レンズの基本的な使用方法について理解を深めておくこと。
 2 弱視児童生徒の見え方等に応じたノートのマス目や罫線について、自分が担当している児童生徒に照らし合わせて具体的な方法を整理しておくこと。

『自立活動Ⅳ
(情報機器等の活用)』

土井幸輝
(国立特別支援教育総合研究所)

 この講義では、視覚障害のある児童生徒に自立活動等で情報機器を活用するための指導をする際に把握しておくべき内容について理解するためのものである。前半に、学習指導要領における情報機器等に関連する規定について確認し、それに基づいた情報機器等の活用の意義と、情報機器を用いた指導をする際に必要な視点と配慮事項について触れる。後半に児童生徒が主に活用する情報機器等の具体例と活用の指導のポイント、指導者が主に活用する情報機器等の具体例と活用のポイントを紹介する。

・事前学習
 印刷教材を熟読し、必要に応じて不明な文言は調べておくこと。

・事後学習
 1 事後学習では、最先端の技術・機器、および、視覚障害者用の日常用品等を展示する総合イベント「サイトワールド」について以下のWebサイト(※)を閲覧して、サイトワールドや情報機器等の理解を深めること。
※http://www.sight-world.com/

『キャリア教育と職業教育』


田中良広
(帝京平成大学)

 キャリア教育推進の社会的背景及び定義を踏まえ、視覚障害のある児童生徒のキャリア発達を促す基礎的・汎用的能力とは何か、また、視覚障害のある児童生徒にとってのキャリア教育を教育課程にどう位置づけるかについて論じる。その上で、視覚障害のある児童生徒の職業教育について、視覚障害者を教育する特別支援学校における現状と課題を中心に説明する。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
 1 北海道立特別支援教育センターのホームページから研究紀要第26号「視覚障害教育における自立と社会参加を見据えた指導の在り方に関する研究」をダウンロードして、その内容を理解すること。
 2 自校の進路指導及び職業教育上の課題を把握し、その解決策について自分なりの考え方を整理すること。



 

 
聴覚障害児の教育課程及び指導法

番号

映像講義名
担当講師(所属)

講義概要

事前学習・事後学習

『聴覚障害教育授業論(歴史)


宍戸和成
(国立特別支援教育総合研究所)

 

 大村はま先生の著書、「教えるということ」から、「教える」ことの意義を説明し、また、聴覚障害教育に携わった先人の言葉を基に、授業をするに当たって必要なことについて考察する。
そして、授業において重要な役割を担う「発問」や「板書」の工夫について、具体例を基に説明し、身近な教材を使って、日々、自ら模擬授業を繰り返して、授業を創造することの大切さについて考察する。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
 1 映像講義の内容を振り返り、資料に示した参考文献などを読んで、さらに理解を深めるようにすること。
 2 頭に描いた児童生徒を基に、身近な教材を見付け、指導案を作って、発問や板書等のイメージを描きながら、自分なりの模擬授業を繰り返すこと。

『特別支援学校(聴覚障害)の教育課程』


 


庄司美千代
(文部科学省初等中等教育局特別支援教育課)

 聴覚障害に対応した教育課程の編成と実施について、学習指導要領等に基づき解説する。
 まず、聴覚障害に対応した教育課程を編成するにあたり、基本的な考え方と編成の在り方を説明する。次に、教育課程の実施にあたり、特別支援学校学習指導要領に示された各教科等の指導の配慮事項を説明する。また、聴覚障害に対応した自立活動の内容と個別の指導計画の作成について説明する。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
 1 教育課程の編成、各教科等における指導上の配慮事項については、特別支援学校学習指導要領解説総則等編を読み、理解を深めるようにすること。

 2 自立活動の指導については、特別支援学校学習指導要領解説自立活動編を読み、理解を深めるようにすること。


『聴覚障害児の教育におけるコミュニケーション』


小田侯朗

(愛知教育大学 特別教授)


 聴覚障害児のコミュニケーションに関する基本的な事項について解説する。具体的には、コミュニケーションに用いられる様々な手段や、それらの活用の現状などを取り上げる。また、授業を進める上でコミュニケーションを円滑に成立するための教育的な配慮等についても説明する。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
 1 放送講義の内容を振り返り、理解が曖昧な事項については十分復習をしておくこと。

 2 資料に示した参考文献や学習指導要領を読み返すことにより、コミュニケーションの重要さを深く理解すること。

 3 自身の授業などを通して、よりよいコミュニケーションの実現のための工夫を行っていくこと。


『インクルーシブ教育システム構築に
おける聴覚障害教育』


原田公人

(藤女子大学 教授)

 インクルーシブ教育システムにおける、合理的配慮と基礎的環境整備について概説する。そして、聴覚障害幼児児童について基本的事項、聴覚障害教育の教育的対応について理解し、聴覚障害教育に求められる専門性について論じる。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
 1 特別支援学校の指導者に求められる専門性として、特別支援教育の制度的、社会的背景、動向等に関する知識、指導法に関する深い知識・理解及び実践的指導力、特別支援学校のセンター的機能を果たすために必要な知識や技能を挙げている。これらを日々の教育活動で意識し追及していくこと。

『聴覚障害児の言語発達』


鄭 仁豪
(筑波大学)

 聴覚障害児の言語発達の特徴とその背景について学習を行う。

学習内容として、①聴児の言語発達の様子と、その言語と発達との関連を確認する、②聴覚障害と発達との関連、聴覚障害児の初期言語発達、聴覚障害児と聴児の言語発達上の背景の違いについての確認を行うとともに、③聴覚障害児の学習と深く関わっている文字言語発達の現状と課題について検討する。

・事前学習
 印刷教材に目を通し、必要に応じて、専門用語や関連事項を調べておくこと。

・事後学習
 1 言語と発達の関連について整理すること。

 2 聴覚障害児の初期言語発達の様子 について、整理すること。

 3 聴覚障害児と聴児との発達上の相

違について、整理すること。

 4 聴覚障害児の発達や教育における 文字言語の重要性について、整理す

ること。


『聴覚障害(乳)幼児の療育と指導』



廣田 栄子

(筑波大学 名誉教授)


 特別支援教育の自立活動における聴覚障害児の(乳)幼児期の療育と指導について、①概要、②聴覚障害(乳)幼児の理解、③聴覚活用と聴覚学習、④乳幼児のコミュニケーション、⑤保護者の役割と支援の側面から検討し、早期診断後の早期療育と指導の在り方と重要性について理解を深める。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
 1 映像講義の内容を振り返り、資料に示した参考文献などを読んで、広く理解を進める。

 2 特別支援学校の指導者に求められる専門性として、社会的動向等および、指導法、家族との連携、地域におけるセンター的機能、実践的指導力に関する知識と必要な技能について、整理し、教育活動で意識し追及していく。


『聴覚障害児の言語指導』


齋藤 佐和

(筑波大学 名誉教授)


 聴覚障害教育において大きな位置を占める言語指導について、外国及び日本の歴史を概観する。その上で、聴覚活用、多様なコミュニケーション手段の活用が一般化した現代における言語指導の考え方と日本語指導の大きな流れについて考察する。

具体的な指導例のありかたを、幼稚部及び小学部低学年を中心に学び、あわせて小学部以降の言語指導の考え方について考える。


・事前学習
 印刷教材を熟読し、必要に応じて不明な文言は調べておくこと。

・事後学習
 1 映像講義の内容を振り返り、理解が不足していると思われるところを復習すること。

 2 資料に示した参考文献など読んで、さらに知識を深めること。

 3 子供の言語発達について書かれた一般書を読み、幼児の言語習得について理解を深めることが望ましい。


『聴覚障害教育における指導の
実際Ⅰ(国語科)』



庄司美千代

(文部科学省初等中等教育局特別支援教育課)


 聴覚障害のある児童生徒の国語科指導における学習上の困難さと指導の工夫について、学習指導要領及び独立行政法人国立特別支援教育総合研究所の研究成果等に基づき解説する。

また、国語科指導を行うにあたり、自立活動や他教科等との関連を図った指導計画の作成の在り方についても考えていく。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
 1 講義で取り上げた聴覚障害による学習上の困難さと指導の工夫を参考に、受講者自身が実際に指導しようとする単元を取り上げ、予想される困難さとその対応を考えてみること。

 2 聾学校国語教科書の指導書を読

  理解を深めること。


『聴覚障害教育における指導の実際Ⅱ
(算数・数学科)』



四日市章

(筑波大学 名誉教授)


 聴覚障害児の算数・数学学習における困難点や学習しやすい内容をもとに、学習の基礎となる認知や言語の特性について説明し、指導にどう役立てられるかを考察する。また、指導の際のコミュニケーションに関わる困難事項について説明し、効果的な学習が進められるための配慮事項について考える。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
 1 映像講義の内容を振り返り、理解が不足していると思われる部分を復習しておくこと。

 2 資料に示した参考文献などを読んで、さらに知識を得ておくこと。

 3 実際に指導案を作って見るなどして、知識の応用を図ること。

『聴覚障害教育における指導の実際Ⅲ(外国語)』



山本 晃
(国立特別支援教育総合研究所)


小林 高志
(静岡県立浜松聴覚特別支援学校)




 聴覚に障害が生じることで、生活場面における聞こえには制限が生じる。その程度は、聴覚障害の程度により様々である。聴覚障害があることで、音や音声などの聴覚刺激が入らない、または十分に入らないことが生じる。さらに、聴覚障害の影響は、聞こえの問題のみにとどまらず、コミュニケーションへの影響や、とくに言語習得期である乳幼児期では、音声言語の習得など、その影響は多岐に渡る。さらに幼児期後期には書記言語学習の発達に影響を及ぼす。そのため指導者は、包括的に聴覚障害児の言語発達を理解することが求められる。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
 1 理解度チェックテストで、講義内容の要点を確認すること。

 2 聴覚障害児の教科指導における課題と配慮事項について、(自身が担当する教科の特性を加味しながら、)特に重視したい項目をリストアップしておくこと。

 3 特別支援学校(聴覚障害)英語科指導の実践例を基に(自身が担当する教科の指導をどのように工夫するかを考え)授業作りのアイデアを箇条書きにまとめること。


『聴覚障害教育における聴覚評価』


原田公人
(藤女子大学 教授)


 きこえと聴覚機能についての基本的事項を解説する。そして、さまざまな聴力検査の内容について理解する。また、オージオグラム(聴力図)の見方の基本的事項や難聴の種類と特徴について説明する。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
 1 映像講義の内容を振り返り、資料に示した参考文献などを読んで、さらに理解を深めるようにすること。

 2 可能であれば、実際の聴力検査に立ち会い学んだ知識を実体験につなげ、理解を深めること。

『重複障害児への教育的対応』



山本 晃
(国立特別支援教育総合研究所)

 聴覚障害に併せて他の障害を有する児童生徒の特別支援学校(聴覚障害)の現状と、重複障害児への実態把握と指導方法について説明する。

また、重複障害児童生徒の教育課程の編成と、教科用図書について説明をする。

さらに、視覚障害と聴覚障害を併せ有する盲ろう(重複障害)について説明する。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
 1 「特別支援学校学習指導要領解説」の「重複障害者等に関する教育課程の取扱い」及び「知的障害者である児童生徒に対する教育を行う特別支援学校の各教科」に関する記述を確認すること。

2 特別支援学校(聴覚障害)における重複障害児童生徒の教育課程の編成について、実際の特別支援学校の教育課程として、「知的障害を併せ有する重複障害のある児童生徒の指導内容と方法」と「自立活動を主として行う場合」があることを、教科書の使用状況も含めて確認すること。

『聴覚障害教育における情報教育(ICT活用)』



新谷洋介
(北海道高等聾学校)


 聴覚障害教育における教材・教具やコンピュータ等の活用の背景について、特別支援学校学習指導要領や教育の情報化の手引等に基づいて説明する。また、聴覚障害教育におけるICT活用

の視点を述べ、ICT活用事例を挙げ、ICT活用の工夫点や配慮点について説明する。


・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習

 1 「特別支援学校学習指導要領解

説」、「教育の情報化の手引」、「教育の情報化のビジョン」の聴覚障害教育におけるICT活用に関する記述を確認すること。

 2 聴覚障害教育におけるICT活用について、ICT活用事例や活用のポイントを参考に、自分の担当する子どもに対する具体的な方法を考えること。

『聴覚障害教育におけるキャリア
教育・職業教育』



定岡孝治
(横浜市立日野中央高等特別支援学校 教頭)


 キャリア教育推進の社会的背景及び定義を踏まえ、聴覚障害のある児童生徒のキャリア発達を促す基礎的・汎用的能力について解説する。また、特別支援学校(聴覚障害)における進路指導の評価の目的について論じる。その上で、特別支援学校(聴覚障害)における職業教育の現状と課題について、考察する。

・事前学習
 印刷教材を熟読し、必要に応じて不明な文言は調べておくこと。

・事後学習
 1 自校のキャリア教育及び職業教育の現状と課題を把握し、「個に応じた指導をどのように充実させるか」について自分なりの考え方を整理すること。

 2 キャリア発達を促す基礎的・汎用的能力を整理し、学校教育の様々な場面を通して意識しながら生徒の育成にあたること。

『成人聴覚障害者の支援と社会参加』



山本 晃
(国立特別支援教育総合研究所)


井上通子
(大阪府立だいせん聴覚高等支援学校 )


 ライフステージに対応した成人聴覚障害者への支援を就労を中心に論じ、聴覚障害者への支援について説明する。また、日本の障害者雇用の流れと聴覚障害者の就労の現状と課題について論じ、成人聴覚障害者が直面する諸問題とそれを解決するための方法として関係諸機関との連携の重要さを説明する。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
 1 社会参加に向けての支援には生活支援と就労支援が一体化して行われることを理解し整理しておくこと。 

 2 聴覚障害者の就労の現状と課題について理解し、その解決策について自分なりの考え方を整理すること。



 

平成30年度前期 NISE免許法認定通信教育シラバス

  
 
視覚障害児の心理、生理及び病理

 

番号

映像講義名
担当講師(所属)

講義概要

事前学習・事後学習

『視知覚』 


田中 良広
(帝京平成大学)

 最初に視知覚とは何かを解説した上で、心理学的実験の結果から得られた弱視児の視知覚の特性を取り上げる。
 次に、視知覚の発達の状態や特性を把握し学習上のつまずきや支援の手がかりを得ることができるフロスティッグ視知覚発達検査の概要と実施上の留意事項について例示を用いて解説する。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
1 弱視児の視知覚の特性を踏まえた上で、実際の学習場面において配慮すべき点等について整理しておくこと
2 フロスティッグ視知覚検査の実際の検査用紙等によって、講義内容の補充を図っておくこと
3 「引用・参考文献」に挙げてある文献に目を通し、視知覚についての理解を深めておくと

『聴知覚・障害物知覚』


佐島 毅
(筑波大学)

 視覚障害における聴知覚および障害物知覚に関する基礎的研究について概観し、その知見と関連づけて聴空間認知,盲人の歩行について解説する。
 また、それらの心理学的知見に根ざした視覚障害の特性の理解と教育への示唆について述べる。

・事前学習
 教材に目を通しておくこと。

・事後学習
 聴知覚・障害物知覚の基本的な特性を理解すること。
 聴知覚・障害物知覚と歩行との関係について理解すること。

『触知覚』


金子 健
(国立特別支援
教育総合研究所)

 まず、触知覚に関する基礎的事項としての触覚の特性を取り上げる。そのうえで、触知覚の特性について、触覚的に入手可能な情報の種類、触覚を活用する諸状況(周囲の環境の把握、物の操作、手指による触図・点字等の知覚・認知)等の観点から述べ、それらと視覚障害との関係を論じる。

・事前学習
 印刷教材に目を通しておくこと。

・事後学習
1 運動感覚が視覚を必要としないことを閉眼の状況で確かめてみること、及び、その精度(どのくらい正確にできるか)について確かめてみること(ただし、危険を伴わない範囲で確かめること)
2 身近にある、紙、繊維(布)、木材等の素材について、その触感を確かめてみること
3 「引用・参考文献」に挙げてある文献で、触覚、及び触知覚について、理解を深めること

『知能・記憶・思考』


山本 利和
(大阪教育大学)

 知能・記憶・思考という認知心理学領域の話題を視覚障害者の場合に当てはめながら解説する。この領域は教育に直結しているので、学校現場で役立ちそうな例を使って解説する。

・事前学習
 知能検査と記憶のメカニズムについては事前学習として調べておくこと。 

・事後学習
 視覚の状態と経験が知能、記憶、思考にもたらす特長についての復習をすること。特に講義の最後に行う理解度チェックテストで間違った事項については十分な復習を行うこと。 

『ことばと読みの発達』


小林 秀之
(筑波大学)

 視覚障害児のことばの発達と読みの発達について、基本的な理解を深める。ことばの発達については、喃語の発現から初語の獲得とその後の発達を概観する。読みの発達については、点字の読みの発達と弱視児の読みの発達について解説する。

・事前学習
 視覚障害児のことばの発達や読みの発達について、各自調べて概観しておくこと。


・事後学習
 映像講義内容を振り返り、理解が不足している部分については復習すること。特に講義の最後に行う理解度チェックテストで間違った事項については十分な復習を行うこと。

『身体発達と歩行』


中村 貴志
(福岡教育大学)

 視覚障害者の身体発達と歩行について、基本的な理解を深める。また、運動能力や体力の特徴、及び支援効果について、これまでの研究報告を基に概観する。
 歩行については、オリエンテーションとモビリティの観点から解説する。

・事前学習
 視覚障害者の身体発達、運動能力や体力及び歩行については、事前学習として調べておくこと。

・事後学習
 映像講義内容を振り返り、理解が不足している部分については復習すること、特に講義の最後に行う理解度チェックテストで間違った事項については十分な復習を行うこと。

『パーソナリティと適応・

社会性』



相羽 大輔
(愛知教育大学)

  視覚障害児・者に特有のパーソナリティがあるか否か、どのような観点で視覚障害児・者の心理的適応を支援すればよいか、視覚障害児・者に必要な社会性について概観し、視覚障害児・者の心理面の支援のあり方について学ぶ。

・事前学習
 視覚障害者に特徴的なパーソナリティについて、予想することを列挙しておくこと、また、視覚障害者の心理的適応において課題になりうることを予想しておくこと、また、可能であれば、中途失明に関する図書等を読んでおくこと

・事後学習
 映像講義の内容を振り返り、理解が不足している部分について復習をしておくこと。また、疑問に思ったことについては調べ学習を行うこと、特に、最後に行う理解度チェックテストで間違った事項については十分復習を行うこと。

『視覚器の解剖と発生』


柿澤 敏文
(筑波大学)

 視覚器の解剖について、眼球、視神経、視中枢、眼球付属器の順に、その機能の概要と共に理解する。
 次に、眼の発生について、受精後早期の過程を中心にして、先天異常との関係も含めて理解する。

・事前学習
 視覚器の解剖・眼の発生について、事前学習として調べておくこと。

・事後学習
 映像教材を振り返り、理解が不足している部分については復習すること。特に講義の最後に行う理解度チェックテストで間違った事項については十分な復習をすること。

『視機能とその評価1

(視力)』


永井 伸幸
(宮城教育大学)

 代表的な視機能である視力について、視覚的大きさは角度(視角)によって決まり、視力の値は視角の逆数であることを説明する。さらに1.0から光覚無しまでの標準的な視力検査法や、視力と視角の関係について、さらに様々な視力について説明する。

・事前学習
 視覚の生理・病理(眼の構造、視機能(視力、視野等)、視覚障害の種類、眼疾患の病態等)については、事前学習として調べておくこと。

・事後学習
 映像講義内容を振り返り、理解が不足している部分については復習すること。特に講義の最後に行う理解度チェックテストで間違った事項については十分な復習を行うこと。

『視機能とその評価2

(視野・眼球運動・その他)』


永井 伸幸
(宮城教育大学)

 視覚障害に関係する視機能について、物の見える範囲を表す視野の測定とその障害について明順応と暗順応及びその障害について、色覚の特性とその障害について、眼球運動と眼振について説明する。

・事前学習
 視覚の生理・病理(眼の構造、視機能(視力、視野等)、視覚障害の種類、眼疾患の病態等)については、事前学習として調べておくこと。

・事後学習
 映像講義内容を振り返り、理解が不足している部分については復習すること。特に講義の最後に行う理解度チェックテストで間違った事項については十分な復習を行うこと。

『眼光学と視覚補助具』


川瀬 芳克
(愛知淑徳大学)

 代表的な視覚補助具である手持ち型拡大鏡、卓上型拡大鏡および単眼鏡の光学的な特性を説明するとともに、正視、遠視、近視および乱視と視覚補助具のかかわりについて説明する。

・事前学習

 眼の屈折については事前学習としてひととおり調べておくこと。

・事後学習
 理解度チェックテストで間違った事項については復習を行うこと。

『先天異常』


柿澤 敏文
(筑波大学)

 眼の発生について、受精後早期の過程を中心に、先天異常との関係を理解する。次に、代表的な6つの先天眼疾患について、その概要を理解する。最後に、遺伝が認められる、視覚障害原因となりうる5種類の先天眼疾患について、その概要を理解する。

・事前学習
 眼の発生と先天異常(先天眼疾患)について、事前学習として調べておくこと。

・事後学習
 映像教材を振り返り、理解が不足している部分については復習すること。特に講義の最後に行う理解度チェックテストで間違った事項については十分な復習をすること。

『小児の眼疾患』


中村 貴志
(福岡教育大学)

 小児の眼と眼疾患の特徴について、基本的な理解を深める。また、眼の先天異常、全身病と眼疾患、未熟児網膜症、斜視及び弱視について、定義、病態及び症状など基本的な内容について解説する。

・事前学習
 小児の眼と代表的な眼疾患の特徴については、事前学習として調べておくこと。

・事後学習

 映像講義内容を振り返り、理解が不足している部分については復習すること、特に講義の最後に行う理解度チェックテストで間違った事項については十分な復習を行うこと。

『屈折異常・白内障

・緑内障』


佐藤 将朗
(上越教育大学)

 視覚障害のある児童生徒の病理について理解するため、屈折異常、白内障、緑内障を取り上げ、まず、その基礎知識を整理する。
 次に、特別支援教育の中で、これらの状態像を示す幼児児童生徒に対する医学的管理と指導上の配慮事項についても学んでいく。

・事前学習
 視覚の生理・病理(眼の構造、視機能(視力、視野等)、視覚障害の種類、眼疾患の病態等)については、事前学習として調べておくこと。 

・事後学習
 映像講義内容を振り返り、理解が不足している部分については復習すること。特に講義の最後に行う理解度チェックテストで間違った事項については十分な復習を行うこと。

『網膜・硝子体疾患と

視神経・視路疾患』


森 まゆ

(筑波大学)

 網膜・硝子体疾患と視神経・視路疾患について、視覚特別支援学校・特別支援学級の視覚障害原因調査で人数の多い疾患を中心に、その疾患で視覚障害が起きる原因や背景、疾患ごとの見え方、必要な配慮について、視機能の生理学的な背景を振り返りながら、基本的な知識を得る。

・事前学習
 視覚の生理(眼の構造、視機能、それらの関係など)ついては調べておくこと。

・事後学習
 講義中で出てきた眼疾患について復習すること。疾患の部位・内容と見え方を関連させて理解すること。


 

 
聴覚障害児の心理、生理及び病理

 

番号

映像講義名
担当講師(所属)

講義概要

事前学習・事後学習

『聴覚障害児の生涯発達と
教育・心理的背景』



四日市 章

(筑波大学 名誉教授)

 

 聴覚障害児の指導では、子どもの生涯にわたる学習や生活での課題を見通し、それに対応した指導支援を行うことが重要である。学習面での課題は主として日本語の獲得とそれによる知識の拡大であり、生活面では、学級から就職に至る集団の場での、仲間との協働と自己実現である。言語や聴覚の障害は外部から的確に理解することが難しく、指導する教師は、子どもと障害、学習内容や指導法、また社会的相互作用や協調のあり方について知り、的確な配慮を行う事が必要となる。本講義では、特別支援学校(聴覚障害)と通常の学級、また、職場で、彼らが適応して生活し、充実した学びを行えるために我々が知っておくべき事柄について述べる。

・事前学習
 本講義の基礎となる聴覚障害児の心理、学習、指導の基礎に関してできるだけ予習しておくことが望ましい。

・事後学習
 講義資料を読み返し、必要に応じて参考文献などで理解を深める。また、得られた知識を、自分の指導経験と合わせて考察をしてみる。

『聴覚障害(乳)幼児の

心理と発達支援』


北 義子
(国立リハビリテーション

センター学院)

 聴覚障害(乳)幼児心理の発達を理解するにあたっては、聴覚障害であるために影響を受ける「関係性」に注目することが重要である。そのため、関係性の発達についてアタッチメント(愛着)システム、自己感の発達、分離一個体化過程、なり込みと巻き込みなどの側面から学び、さらに心の理論についても説明を加える。そして、関係性の発達における聴覚障害の影響について、実際のケースの映像やインタビュー内容などから具体例を示す。また、聴覚障害児の発達支援について、主として前言語期に必要とされる指導者は、児のコミュニケーション・パートナーとしてモデルを示すことが最重要課題であり、難聴についての知識を母に教え込むことが必要なのではないこと、母親は、子どもと指導者とのやりとりのモデルの中から、身体で我が子の聞こえやコミュニケーションの特徴について学ぶ必要があることなどを説明する。

・事前学習
 本講義の基礎となる健聴児の心理に関して、実際の乳児と母親とのコミュニケーションを観察する経験を持つと良い。さらに文献で予習しておくことが望ましい。

・事後学習
 講義資料を読み返し、必要に応じて参考文献などで理解を深める。また、自分の指導場面をビデオに録画し、児からどのように見えているか、他の先生にも観て頂き、検討する。

 できれば、月に1度、健聴児の母子の様子を生後1年にわたって数組観察させて頂けるとなお良い。

『聴覚障害(学童期・青年期)

の心理と教育的対応』


山本 晃
(国立特別支援教育総合

研究所)

 聴覚障害(学童期・青年期)の心理と教育的対応は、聴覚障害児・者の生活機能や聴覚障害に起因する心理的問題、社会と聴覚障害者との関わりにおいて生じる問題、言語能力、思考の固執性などを理解し、それに対応した発達段階ごとの支援を行うことが重要である。また、聴覚障害学生への支援は学生の意思表明の段階に合わせた支援方法が大切であり、支援する側と支援される側の前向きな関わりにより、支援が充実していくことについて理解することが重要である。

・事前学習
 本講義の基礎となる聴覚障害児の心理、学習、指導の基礎に関して、できるだけ予習しておくことが望ましい。

・事後学習
 講義資料を読み返し、必要に応じて参考文献などで理解を深める。また、得られた知識を、自分の指導経験を合わせて考察をしてみる。

『聴覚障害と認知発達』


鄭 仁豪
(筑波大学)

 聴覚障害児の指導では、子供の発達状況に応じた指導や支援を行うことが重要である。聴覚障害児の認知発達は、使用する言語、それによって得られる経験、学習のための方略といった認知発達を支える3つの要素において、聴児の認知発達とは異なる。聴覚障害児の教育現場では、聴児の認知発達の基準からではなく、異なる発達の背景と過程を持つ存在としての聴覚障害児の認知発達を考慮し、対応する必要がある。

 本講義では、特別支援学校(聴覚障害)と通常の学級で、聴覚障害児に適した教育や学習が行えるために、我々が知っておくべき聴覚障害児の認知発達に関わる事柄について述べる。

・事前学習
 本講義の基礎となる社会性や情緒発達に関する基礎的用語や理論は、できるだけ予習しておくことが望ましい。

・事後学習
 講義資料を読み返し、必要に応じて参考文献などで理解を深める。また、得られた知識を、自分の指導経験を合わせて考察をしてみる。

『聴覚障害児の社会性と

情緒の発達』

鄭 仁豪
(筑波大学)

 聴覚障害児の指導では、子供の発達状況に応じた指導や支援を行うことが重要である。学校は、学力向上のための学習の場であり、社会性や情緒の発達を遂行する場でもある。また、学業生活と社会性や情緒の発達は相互に支え合う関係にもある。しかしながら、聴覚障害児はコミュニケーションに何らかの制約がある場合が多く、社会性や情緒の発達において課題を抱える場合も多いとされる。このような課題の背景を知ることは、的確な学習や生活上の配慮を行うために必要となる。

 本講義では、特別支援学校(聴覚障害)と通常の学級で、聴覚障害児に充実した学びの環境を提供するために、我々が知っておくべき社会性と情緒の発達に関する事柄について述べる。

・事前学習
 本講義の基礎となる社会性や情緒発達に関する基礎的用語や理論は、できるだけ予習しておくことが望ましい。

・事後学習
 講義資料を読み返し、必要に応じて参考文献などで理解を深める。また、得られた知識を、自分の指導経験を合わせて考察をしてみる。

『軽度・中等度難聴児及び

一側性難聴の理解と対応』



原田 公人
(国立特別支援教育総合

研究所)

 聴覚障害は様々な程度があり、きこえの状態により生活面・学習上の困難を生じる。また、補聴器等の適用については、本人の不便さや音や音声情報の聴取状態から、個々に応じた補聴を検討することが重要である。
 軽度・中等度難聴と一側性難聴とでは、それぞれ異なる状態像であることを理解し、発達段階を含め、個に応じた指導・支援を検討する必要がある。
 本講義では、先行研究を紹介しつつ、軽度・中等度難聴、一側性難聴の理解を深め、特別支援学校(聴覚障害)のみならず通常の学級に在籍している幼児児童生徒に対する配慮すべき事柄について述べる。。

・事前学習
 本講義の基礎となる難聴の程度・分類、軽度・中等度難聴及び一側性難聴の基礎に関して、できるだけ予習しておくことが望ましい。

・事後学習
 講義資料を読み返し、必要に応じて参考文献などで理解を深める。また、得られた知識を、他の関係文献で確認してみる。

『聴覚障害リハビリテーション

①補聴器』


原田 公人
(国立特別支援教育総合

研究所)

 聴覚障害児に対する指導上の配慮として、聴覚補償が欠かせない。聴覚補償の方法として、補聴器や人工内耳の活用がある。近年は、新生児聴覚スクリーニングの普及により、聴覚障害の早期発見が可能になった。これに伴い、早期補聴、早期療育(教育)が必須の取組となっている。
 本講では、補聴器について取り上げる。まず、伝音難聴・感音難聴の状態像から補聴器の適応判断、補聴器の基本的構造を理解する。また、補聴器フィッティングに関する用語を理解する。そして、保護者支援を含め。発達段階に応じた聴覚リハビリテーションの内容について押さえておくべき事柄について述べる。

・事前学習
 本講義の基礎となる難聴の程度・分類、軽度・中等度難聴及び一側性難聴の基礎に関して、できるだけ予習しておくことが望ましい。

・事後学習
 講義資料を読み返し、必要に応じて参考文献などで理解を深める。また、得られた知識を、他の関係文献で確認してみる。

『聴覚障害リハビリテーション

②人工内耳と人工中耳』



廣田 栄子
(筑波大学 名誉教授)

 近年の高度医療技術の開発に伴い、人工聴覚器(人工内耳・人工中耳)が保険適用となり、聴覚活用効果もあって普及が進んでいる。人工内耳は、主に重度感音性難聴児者に適応があり、人工中耳は既存の治療でも改善がない、または装用が困難な伝音性または混合性難聴者に適応があるとされている。
 本講義では、医療・聴覚障害学・特別支援教育学の側面から、聴覚活用の背景、聴覚障害の程度とことばの聞こえの評価、人工内耳の構造と機能、人工内耳の聞こえと活用、人工中耳の構造と機能について講義し、最後に人工聴覚器の特別支援学校(聴覚障害)における児童生徒への適用検討の在り方についてまとめる。

・事前学習
 本講義の基礎となる聴覚障害児の心理、学習、指導の基礎に関して、できるだけ予習しておくことが望ましい。

・事後学習
 講義資料を読み返し、必要に応じて参考文献などで理解を深める。また、得られた知識を、自分の指導経験と合わせて考察をしてみる。

『APD聴覚情報処理障害

の理解と対応』



小渕 千絵
(国際医療福祉大学)

 聴覚情報処理障害(APD)とは、聴力には問題がみられないにも関わらず、聞き取りにくさを訴える症状である。APDは様々な原因によって生じうるため、教育場面でもAPDを疑う児に出会うことは多々みられるといえる。このため、その症状や原因について理解し、個々に抱える症状に合わせて適切な対応を行えるようにすることは重要といえる。
 本講義では、APDの基本的な理解を深められるよう、APDの症状、定義、その原因について概説し、さらにAPDと他障害を鑑別するための評価方法、及び具体的な支援方法について述べる。

・事前学習
 基本的な聴覚検査及び聴覚障害児に行われる基本的な支援方法について理解を深めておくことが望ましい。

・事後学習
 講義資料を読み返し、必要に応じて参考文献などで理解を深める。また、得られた知識を、自分の指導経験と合わせて考察をしてみる。 

『小児の言語障害』



野原 信
(帝京平成大学)



 聴覚に障害が生じることで、生活場面における聞こえには制限が生じる。その程度は、聴覚障害の程度により様々である。聴覚障害があることで、音や音声などの聴覚刺激が入らない、または十分に入らないことが生じる。さらに、聴覚障害の影響は、聞こえの問題のみにとどまらず、コミュニケーションへの影響や、とくに言語習得期である乳幼児期では、音声言語の習得など、その影響は多岐に渡る。さらに幼児期後期には書記言語学習の発達に影響を及ぼす。そのため指導者は、包括的に聴覚障害児の言語発達を理解することが求められる。

・事前学習
 本講義の基礎となる聴覚障害児の心理、学習、指導の基礎に関して、できるだけ予習しておくことが望ましい。

・事後学習
 講義資料を読み返し、必要に応じて参考文献などで理解を深める。また、得られた知識を、自分の指導経験と合わせて考察をしてみる。

『聴覚障害の病理①

耳科学疾病』



新谷 朋子
(とも耳鼻科クリニック)

 聴覚障害児の指導を行う上で、聴覚障害の病理、聴覚障害の原因となる疾患、病態を理解することは重要である。
 聞こえの仕組みは外耳、中耳からなる伝音機構と内耳、中枢からなる感音機構に分けられる。伝音機構の役割は外界からの音を効率良く内耳に伝えることと、強大な音響暴露から内耳を防御することである。感音機構はアブミ骨の振動で内耳液が外界からの音情報を、アブミ骨の振動を介して内耳液の波動により基底板の振動として伝えられる。内耳液の波動は、蝸牛の聴覚情報伝達機能によって、物理的エネルギーを神経の活動としての電気的エネルギーに変換され、聴覚中枢路に伝達される。
 これらの聞こえの病態について述べる。

・事前学習
 本講義の基礎となる聴覚障害児の心理、学習、指導の基礎に関して、できるだけ予習しておくことが望ましい。

・事後学習
 講義資料を読み返し、必要に応じて参考文献などで理解を深める。また、得られた知識を、自分の指導経験と合わせて考察をしてみる。

『聴覚障害の病理②

耳科学疾病』



新谷 朋子
(とも耳鼻科クリニック)

 聴覚障害児の指導では難聴の原因となる疾患、病態、治療、対処方法を理解することが必要である。
 耳疾患の症状は、難聴以外に耳痛、耳漏、耳閉感などだが、子供ではうまく表現できない。耳の診察では外耳、中耳の視診(耳鏡、顕微鏡、内視鏡)、レントゲン、CT、MRI、聴力検査、遺伝子検査等が行われる。
 伝音難聴をきたす疾患は外耳の先天性疾患、耳垢などである。中耳の疾患は小児では急性中耳炎が最も多く、滲出性中耳炎も難聴の原因となる。感音難聴をきたす疾患は先天性難聴では約半数は遺伝子変異が関与する。その他内耳奇形、風疹やムンプス、サイトメガロウイルスなども難聴の原因となる。
 本講義では小児に見られる疾患、難聴の原因となる疾患について述べる。

・事前学習
 本講義の基礎となる聴覚障害児の心理、学習、指導の基礎に関して、できるだけ予習しておくことが望ましい。

・事後学習
 講義資料を読み返し、必要に応じて参考文献などで理解を深める。また、得られた知識を、自分の指導経験と合わせて考察をしてみる。

『聴覚の解剖

(聴覚機能)』



小渕 千絵
(国際医療福祉大学)

 聴覚障害児への支援を行う上では、聴覚障害の機序やその特性について把握することは重要である。この場合には、基礎的な聴覚系の構造と機能について理解することが必要といえる。さらに、近年では、補聴器や人工内耳の両耳装用も進んでいることから、その基盤となる両耳聴の仕組みについても理解しておくことも必要である。
 本講義では、末梢聴覚系と中枢聴覚系に分け、それぞれの構造と機能について概説し、さらに両耳聴の仕組みや機能について述べ、基礎的な知識が得られるようにする。

・事前学習
 聴覚系に関わる基本的な解剖学、生理学的用語について予習しておくことが望ましい。

・事後学習

 講義資料を読み返し、必要に応じて参考文献などで理解を深める。また、聴覚障害の種類と対応づけて理解できるようにする。

『小児難聴(種類と原因)』



寺崎 雅子
(小田原市立病院)

 近年の医療では、遺伝子分析により難聴の原因が解明されつつある。その結果、聴覚障害児に対する認識とその支援環境が改善されてきている。難聴児に関わる耳鼻咽喉科医師、小児科医師、言語聴覚士ばかりでなく、療育や教育場面での保育士や教員の占める役割はさらに重要になってきている。
 本講義では、難聴児童に対する知識をできるだけ広く理解し、教育場面で、安心して充実した学習と支援環境が提供できるよう、理解しておくべき小児難聴の代表的な種類と原因について述べる。

・事前学習
 講義の基礎となる聴覚障害についての知識ばかりでなく、そのほかの障害、重複障害についても予習しておくことが望ましい。

・事後学習
 講義資料を読み返し、必要であれば参考文献などで理解を深める。また、自分の指導経験と、得られた知識を合わせて考察をしてみる。

『小児難聴の早期発見』



廣田 栄子
(筑波大学 名誉教授)

 先天性または幼児期からの難聴児では、聴覚情報の制約により言語コミュニケーション・社会性・情緒発達等に影響が及ぶことが少なくない。そこで、幼児期早期に難聴を発見し、早期に補聴器装用と教育指導を開始し、系統的指導により十全な発達を支援することが必要となる。
 本講義では、小児難聴の早期発見の歴史と背景、早期発見・指導と発達の理解、普及の著しい新生児聴覚検査、早期発見と特別支援学校(聴覚障害)、早期発見後の指導、言語発達と早期発見の意義について論じ、最後に小児難聴の早期発見と特別支援教育指導の在り方についてまとめを述べる。

・事前学習
 本講義の基礎となる聴覚障害児の心理、学習、指導の基礎に関して、できるだけ予習しておくことが望ましい。

・事後学習
 講義資料を読み返し、必要に応じて参考文献などで理解を深める。また、得られた知識を、自分の指導経験と合わせて考察をしてみる。