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LD・ADHD・高機能自閉症
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主な知能検査とその特徴
1.【田中ビネー知能検査】
「田中ビネー知能検査」は、フランスのビネーが開発し発展させてきた知能検査を基に、日本での使用を目的として内容の改訂が進められてきた知能検査です。我が国における代表的な知能検査の一つであり、これまでのところ、「87年度全改訂版 田中ビネー知能検査」が全国的にも幅広く用いられてきましたが、2003年に改訂されて「田中ビネー知能検査 Ⅴ」と名称が新しくなり、内容についても1歳以下の発達をとらえることや成人知能に関しても測定が可能となった点、結果を一望できるアセスメントシートを採用したことなどのいくつかの点で改訂がなされました。
この検査の特徴としては、まず、多角的な総合検査であることが挙げられます。これは、知能を各因子に分かれた個々の能力の寄せ集めと考えるのではなく、一つの統一体としてとらえようとするビネーの知能観に基づいて開発されているからです。
そして、最大の特徴としては「年齢尺度」が導入されていることです。できなかった課題、あるいはできた課題の年齢的な基準が示されていて、他の同世代の子どもと比較してどのくらい発達しているか、あるいは遅れを示しているのかの手掛かりやイメージをつかみやすい構成になっています。具体的には、下図のように、課題の困難度に応じて1歳級から成人級まで年齢段階に応じて分けられた問題構成になっているのが特徴的です。
実施の手順としては、まず、子どもの生活年齢と等しい年齢級の課題から検査を始めていき、一つでもパスできない課題があった場合には年齢級を下げて実施し、全課題をパスできる年齢級の下限を特定します。全課題をパスできた場合には、上の年齢級に進んで、上限を特定します。このような実施手順にしたがって検査を行うことで、検査の結果として算出された精神年齢と、子どもの生活年齢(暦年齢)との比によって「知能指数」、つまり「IQ」という数値が算出されるように作成されています。
「田中ビネー知能検査 V」になって、下図のようなアセスメントシートの右側に検査結果を、左側に行動観察の記録を記入していくことで、子どもの発達の様相をグラフィカルに把握することが容易になりました。
この知能検査は、適用年齢も2歳から成人までと幅が広く、他の知能検査と比較すると実施の手順が簡便であるために、子ども自身も検査者も精神的・時間的負担が少ないことなどが大きな特徴となっています。
2.【WISC-Ⅲ (Wechsler Intelligence Scale for Children - Third Edition)】
アメリカのウェクスラーは、検査対象児・者の年齢に合わせて3つの知能検査を開発しました。そのうちで5歳0ヶ月-16歳11ヶ月の児童生徒を対象とした検査が、「WISC-Ⅲ」です。このほかに、主に幼児を対象とした「WPPSI」と成人を対象とした「WAIS-R」があります。
国際的にも広く用いられている検査ですが、我が国では特に現在、いわゆる軽度発達障害の子どもなどのアセスメントに広く用いられてきています。
この検査の最大の特徴は、全般的な知能水準が測定できることに加えて、「言語性の知能指数(VIQ)」と「動作性の知能指数(PIQ)」の二つの知能発達の様相を見ることができるところにあります。
言語性知能とは、主に耳から入った聴覚情報を処理する能力のことです。言語性の能力や聴覚ー音声処理過程の能力を測定する指標となっています。動作性知能とは、主に眼から入った視覚情報を処理する能力のことです。動作性能力や視覚ー運動処理過程の能力を測定する指標となっています。
さらに、この検査のもう一つの大きな特徴としては、言語理解(VC)、知覚統合(PO)、注意記憶(FD)、処理速度(PS)という四つの「群指数」という指標を求めることもできるので、より詳細に子どもの知能発達を測定・分析することが可能となっています。この群指数では、言語性知能と動作性知能を支える各二つずつの因子を求めることができるので、子どもの認知機能の得意な面や不得意な面を特定することが可能となります。
検査課題の構成としては、二つの知能指数と四つの群指数が導き出されるように、六つの言語性下位検査と七つの動作性下位検査から構成されていて、各下位検査の評価点の合計によって、それぞれの指数を求められるようになっています。
結果の処理に際して、各下位項目の得点を年齢基準によって換算した評価点を求め、それらをプロフィール票に記入していくことで、グラフィカルに「個人内差」という観点から子どもの知能発達を把握し分析できることが利点となっています。
この検査の診断的な活用方法として、いわゆる軽度発達障害が疑われる児童生徒の場合、言語性知能と動作性知能の二つの能力間に大きなギャップが見られることが分かってきています。これは、軽度発達障害の背景として、脳器質レベルでの認知機能の偏りや不全のあることが推測されるからです。
ただし、<検査の目的と適用>の項で述べたように、検査結果を教育診断的なものとして用いることに止まらず、積極的に指導方法の開発や工夫へと活用していくことが大変重要です。
子どもの知能発達の特徴を把握すれば、例えば、視覚的な教材や文字を中心にして指導する工夫、あるいは音声や言語を活用して聴覚的に子どもの学習等を促すことを中心に指導する工夫などの、個々の子どもに適切な指導方法やかかわりを考えることができる可能性があります。
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