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発達スクリーニング検査
スクリーニングとは、精密検査を実施するのに先立って、精密検査を要するものと要しないものとをふるい分けることをいいます。スクリーニングのための検査としては、簡単で正確であり、安価で短時間に行えるものが望ましいことになります。
発達スクリーニング検査は、潜在的な発達遅滞や発達障害の可能性を早期に発見したり、スクリーニングしたりすることを目的とする検査です。方法が簡便であり、限られた時間に多くの対象児に施行できる利点をもっています。母子保健法に基づき制度化されている乳児健康診査、1歳6か月健康診査、3歳児健康診査などの場でも活用されています。
ここでは、「遠城寺式乳幼児分析的発達検査法」と「日本版デンバー式発達スクリーニング検査」を紹介します。
1.遠城寺式乳幼児分析的発達検査法(九大小児科改訂版)
『遠城寺式乳幼児分析的発達検査法』は、九州大学附属病院の小児科医である遠城寺宗徳を中心に原案ができ、1958年に標準化されたものです。現在は1977年に改訂された「九大小児科改訂版」が用いられています。名称は発達検査ですがスクリーニング検査です。
この検査は、乳幼児の発達を『運動』、『社会性』、『言語』の3つの分野から把握しようとするもので、『運動』を「移動運動」と「手の運動」、『社会性』を「基本的習慣」と「対人関係」、『言語』を「発語」と「言語理解」に分けて、6つの領域から構成されています。子どもの発達を6つの領域から分析的に観察し把握することで、子ども一人一人にみられる全体的な発達の様相の特徴を明らかにすることができます。
適用年齢は、0か月から4歳8か月までです。発達段階を乳児期は1か月ごとの12段階、1歳から1歳6か月までは2か月ごとの3段階、1歳6か月から3歳までは3か月ごとの6段階、3歳から4歳8か月までは4か月ごとの5段階に分けています。0歳児から利用でき、早期の年齢区分をより細かくしていることが特徴です。
すべての検査項目について、年齢ごとの通過率が示されています。例を示すと、「移動運動」(1歳0か月~1歳1か月)の問題「2~3歩歩く」については、判定は“2~3歩一人でどうにか歩けば合格”です。11か月の通過率は44.2%、1歳0か月~1歳1か月は68.3%、1歳2か月~1歳3か月は89.5%、1歳4か月~1歳5か月は98.0%です。
検査項目には検査しやすい問題が選ばれていて、検査が容易であり、特別の器具や技能を必要としません。検査法の本にカードなどが付いているほか、若干の用具があった方がよいです。検査の所要時間は15分程度です。
検査方法は、生活年齢を中心に検査問題を進めていきます。そこが合格であれば、上の問題へ進み不合格が3つ続けば、それ以上検査を進める必要はなく、下の方にも合格が3つ続けば、それ以下の検査をする必要はありません。合格と不合格を○と×でその問題のところに記入します。
合格に相当する発達年齢をグラフにプロットすることで、折れ線グラフを描き図示することができ、発達の様相が全体像の上からとらえやすいようにできています。同一の検査用紙に、検査結果を何回も記入できることから、前の検査結果と比較して発達の状況を継続的にみていくことができます。障害のある子どもの療育や教育の効果判定にも役立ち、保護者への説明や指導の際にも、グラフを示せば伝えやすく理解しやすいという利点があります。領域ごとに発達指数への換算もできますが、基本的にはこの検査法によって発達指数を測定することは難しく、特に全発達指数を算出しないことにこの検査の特徴があります。検査の間隔は、乳児では4か月、以後は6~8か月おきに行うといいでしょう。
今後の発達指導の指標としては、例えば、合格した問題の一つ上の不合格、あるいは合格の一つ下の不合格の問題などが次の発達課題、指導目標になります。
2. 改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査
『日本版デンバー式発達スクリーニング検査』(略称、JDDST)は、上田礼子らが東京都、沖縄県、岩手県の検査結果に基づいて標準化して、1980年に公表したものです。このJDDSTは、アメリカのフランゲンバーグとドッゾが乳幼児期に発達の遅滞や歪みのあるものをスクリーニングする目的で考案し、コロラド州デンバー市の乳幼児の検査結果を基に、1967年に標準化した「デンバー式発達スクリーニング検査」(略称、DDST)の日本版です。発達検査は時代に即応した改訂が必要であり、1992年にDDSTが改訂されDDSTⅡとなったことに伴い、日本小児保健学会によってDDSTⅡの標準化が進められ、現在は『改訂日本版デンバー式発達スクリーニング検査』(略称、JDDST―R )が用いられています。
この検査は、乳幼児の発達について『個人―社会』、『微細運動―適応』、『言語』、『粗大運動』の4領域、104項目から全体的にとらえ、評価しようとしているところに特徴があります。
また、この検査は、発達スクリーニング検査であり、診断的なレッテルをはったりするためのものではありません。その目的は、普通にみえる子どもたち、あるいは外見上問題のないようにみえる子どもに実施して、発達的に障害のある可能性の高い子どもを抽出することです。また専門的な医療、保健サービスの従事者にとっては、問題をもっている可能性のある症状のない子どもを抽出するためや、直感的に発達上に問題のありそうな子どもを見付けた場合にそれを客観的に確かめるため、周産期に問題のあったようなハイリスクの子どもについて発達の経過を検討していくためなどに有効です。検査者はこの検査によって、対象の子どもが現時点において発達的問題があるかないかを見極め、早期からの対応を行う、すなわち支援に結び付けたり配慮をうながしたりするための手掛かりを得ることができます。養護学校などで行われる地域支援で、早期からの教育相談に携わる場合にも用いることができます。
適用年齢は、生後16日から6歳までで、就学前の年齢範囲の全体を網羅しています。
検査用紙には、各検査項目で示される特定の行動が獲得される正常な年月齢期間が視覚的に図示されています。すなわち、検査用紙の上と下には、0~6歳にわたる年月齢尺度があり、それぞれの検査項目は、障害のない子どもの25%、50%、75%、90%が可能になる時期を示す年月齢尺度のところに個人差の幅で記入されています。この帯の左端は障害のない乳幼児の25%の子どもがその行動を獲得する年月齢を示し、50%の子どもが可能になる年月齢は帯の上にある短い縦線で示され、75~90%の子どもが可能になる年月齢は網がけによって示されています。また検査項目の中には、養育者から聴取することで評価していい項目があり、それらには、帯の左上にRの記号が記されています。
検査に必要なものは比較的簡単な検査用具一式で、検査方法が容易です。検査用紙のほか、気候性因子と都会性因子による補正版が2枚あります。検査の所要時間は20分程度です。
検査方法は対象になる子どもの暦年齢を計算して、検査用紙に4領域を通して垂直線を引きます。これを暦年齢線といい、この線を基準として実施する項目を決めます。実施する項目は暦年齢線の左側にある各領域の項目から始めて、順次右側にある項目を実施して、それぞれの領域で3項目が不合格になるまで続けていきます。各検査項目を実施しながら、その項目の成否を帯の50%の印の近くに4種類の記号(合格:P、不合格:F、拒否:R、これまでやる機会がなかった:NO)で記入していきます。記入が終わったら、遅れの項目があるかを調べます。遅れの項目とは暦年齢線の左側にあって合格しない項目です。その場合、その子どもは、自分と同年齢の子どもの90%が通過する特定の項目が不合格であることを意味しています。年齢水準に比べて、遅れの項目がどのくらい、どの領域にあるかによって、異常、正常、疑問、不能の判定を行います。
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