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校内における支援体制の構築

 特別な支援を必要としている子どもには、全校職員の共通理解と系統的な支援を行うための校内における組織や仕組みが必要です。コンサルタントとして学校に入る際には、校内の支援体制の状況を確認します。支援体制が構築されていない場合や組織が十分に機能していない場合には、体制作りを進めていくようなかかわりが必要です。 
 校内に組織を作り、機能させていくには、校長の特別支援教育に関する理解とリーダーシップが重要になります。校長が特別な教育的ニーズのある子どもに対して関心を持ち、特別支援教育を学校経営の柱にとりいれるように働きかけることが大切です。 



1.学校の全体職員の意識改革と共通理解



 これまで「特殊教育」として、障害児を盲・聾・養護学校や小中学校の特殊学級で障害のある子どもの教育が行われてきました。特別支援教育では、これらの障害のある子どもだけでなく通常の学級に在籍しているLD,ADHD,高機能自閉症等の児童生徒に対しても教育的ニーズを把握して適切な教育や指導を行うことになります。これまでのしょうちゅう学校の学級担任は、学級を一つのまとまりとして捉え、個別の対応等、特別な扱いをしないという立場で指導されてきている先生方も多いのではないかと思います。
  ところが、特別支援教育の考え方は、学級を一つのまとまりとして捉えるだけでなく、一人ひとりの子どものニーズに対応するという立場で、児童生徒を考えることになります。この立場の変換を校内でしっかりと確認し、校内の教職員が共通理解しておく必要があります。そのためには、校内研修会等で特別支援教育に関する理解を深めておくことが必要になります。  



2.校内委員会の設置



 「校内委員会」は、その学校に在籍する支援が必要な子どもの実態把握、指導内容、指導体制などについて、校内の状況を考えながら検討する委員会です。「校内委員会」という名称ではなく「支援会議」という名称で機能を果たしているところもあります。名称はともかく、校内の組織として位置づけられ、その学校の特別支援教育コーディネーターが運営や調整の中心的な役割を果たします。

 校内委員会の設置の仕方としては

(1)新規の委員会としてとらえ、新たに設置する
(2)従来ある既存の校内組織に、校内委員会の機能を持たせて拡大する
(3)既存のいくつかの校内組織を整理・統合して設置する

     など、様々な方法があります。

 校内委員会の構成員は、各学校の事情により様々ですが、一般的には、校長・教頭・教務主任・特別支援教育コーディネーター・特別支援学級担任・養護教諭・当該学年担当教員・学級担任等で構成されます。学校の実情に応じて工夫し、フットワークの良い、実質的に活用できる組織であることが重要です。
 


3.校内支援体制の構築に向けてコンサルタントが協力すること



 校内支援体制は、あくまでも校長を中心として教職員が構築していくものです。したがって、コンサルタントとして学校に入る際には、次のような校内の支援体制の構築に向けた後方支援を行います

(1) 管理職への情報提供をします。


  特別支援教育の考え方や他校の実践などの情報提供を積極的に行い、その学校の特別支援教教育コーディネーターが校内で活動しやすい状況になるようにします。
 

(2) 校内研修の企画・推進に協力します。


  特別支援教育の考え方、一人ひとりの子どもを個別に見ていく視点(学級担任の気付きを促すこと)、LD・ADHD・高機能自閉症・アスペルガー障害等の行動特徴や支援の仕方、学校体制や特別支援教育コーディネーターの役割等について、研修会の講師をしたり、資料の提供をしたりします。
 

(3) 校内のコーディネーターの相談にのります。


  校内支援体制のキーパーソンである学校の特別支援教育コーディネーターは、校内で一人の場合もあります。校内委員会の進め方や校内での支援組織について相談相手がいない場合もあります。コンサルタントとして、他校の進め方を紹介したり、その学校の実情を踏まえた提案をしたりして、特別支援教育コーディネーターが判断・決断できる情報を提供しましょう。文献や実践例などの資料リストを準備しておくことも必要です。

(4) 個別の指導計画作成の援助をします。


  校内委員会では、一人ひとりの実態把握、指導内容、指導体制等について検討しますが、検討内容を整理して個別の指導計画を作成していくことも必要です。この個別の指導計画の作成に関する助言を行うことも大切です。