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教育相談の実態調査のデータを元に地域、年齢、障害種別、相談内容から検索できます。

 
 
保護者面接

1.まず何よりも優先するべきは・・・

 相談者の緊張や不安を軽減することです。たとえ、アセスメントに必要な情報が十分に得られなくとも、生育歴等のきき取りはその後の作業となります。

<緊張・不安を和らげる例> (一旦、教育相談と離れた会話をする)

・「私はこのセンターで○○をしています、△△というものです」
・「ここまでは、どのように(交通機関等)いらっしゃいましたか?」
・「昨夜はよく眠れましたか?」 ・「今朝の目覚めのご気分はどうでしたか?」


<話の導入例>

・「電話でもおききしました(受付票にも記入してもらいました)が、どういったご相談でいらっしゃったのかをもう一度お話していただけますか?」
・ 「どのようなご相談か、お母さんの言葉でもう一度(直接)おきき したいのですが?」



2.カウンセリングマインド

く面接時のカウンセリングマインド的な応答の例>
*共感→受容→フィードバック:語りをある程度まとめた上、伝え返すことで、傾聴し理解していることを伝える効果がある。
  • 「(なるほど)今お母さんがお話しされたのは、(相手が話した言葉 や文章をまとめて)○○△△、ということですね?」    etc.
*明確化:不明確だったり混乱している関係や事柄を整理していく
  • 「今おっしゃった『○○』について、もう少し詳しくお話していだけますか?」
  • 「(すいません)○○と△△はどのような関係があるでしょうか?」
  • 「今おっしゃった○○というのは具体的には(例えば)どういうことですか?」 etc.
*直面化:種々の気付きを促したり、担当者の見立てを伝える
  • 「○○は、△△だからかも知れないですね」
  • 「○○が△△の時は、◇◇なのかもしれないですね」  etc.
<意見を求められた時のカウンセリングマインド的な応答の例>
*母上先生はどう思いますかり「どうしたらいいんですかり等々に対して、方法を一つに絞らず、自己決定や選択を促すように導く
  • 「お母さんはどう思いますか?‥・(応えがなければ)私は○○と思いますけど、お母さんは?」
  • 「おそらく、○○をした場合には、△△が予想されます。□□した場合には、◇◇が予想されますね」



3.アセスメントの具体的な作業として・・・

*生育歴や現在の様子をきき取ります。
*生育歴などの保護者からの情報と実際の観察場面の様子から、子どもの状態像を把握します。
*保護者が「子育てをどう体験してきたか?」を語る中から、保護者の心理状態やパーソナリティを把握します。

~ 保護者の語り方(表情や口調や動作など)に注目日~

  • 保護者が「なに」を「どう」語るか? 」
  • 客観的な現実と相談者の主観的な体験のズレの程度は?
  • 問題発生時にそれをどのように克服してきたか?
  • 情緒的に大きな揺れが予想される話題をどのように語るか?
などから、保護者の精神的健康度を予測することもできます。
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 精神的な健康度のレベルによっては
  • カウンセリングなどの内省的な支援が可能か?
  • 環境等を調整する行動レベルでの支援が適切か?
              などの判断が必要になります。

*担当者は問題の整理と分析(器質的な問題?心因的な問題?環境の問題?等々)を進め、個々のニーズに合わせた教育相談・支援の糸口(ガイダンス?コンサルテーション?コーディネーション?カウンセリング?等々のどういったアプローチが適切か)を探ります。

*保護者のパーソナリティをアセスメントする視点*

医療的なケアが必要なケース1.(精神的な疾患が疑われる場合)
  • 人間関係の中で、極端に被害的で妄想的なエピソードが多い
  • 空想と現実の区別ができていない       etc.  
医療的なケアが必要なケース2.(うつ病が疑われる場合)
  • 涙を流してばかりで話ができない
  • 無表情、無気力が数ヶ月間続いている、眠れない等の訴えがある 自殺の危険性がある   etc.
環境調整などの行動レベルの支援がより適切なケース
  • 人間関係の中で被害感が強い   
  • 現在までの人間関係が不安定で、頼りにする人物、職場や住居が繰り返し変わっている   
  • 0か?100か?といった中間のない極端な選択が多い
  • 良い人物と悪い人物が極端に分かれている      etc.  
 (例)(心的な動揺が行動に現れるのでカウンセリングは不適切)
  • 「子どものことが近所の噂になって、職場を辞めさせられ、引越しまでさせられた」(同様のエピソードが繰り返される)
  • 「連絡帳を書いてくれないので、園をやめさせた」   
  • 「あの先生は悪魔のような人だが、この先生は神様のような人だ」  
カウンセリングなどの内省的な支援が可能なケース   
  • 自分自身と他者の関係を客観的に振り返って、言葉にできる   
  • 自分の情緒や感情を言葉にして表現することができる   
  • 何かがうまくいっていない感じがあり、どうにかしたいと思っている(因っているけど、何をしたらいいのかわからない)   etc.