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教育相談の実態調査のデータを元に地域、年齢、障害種別、相談内容から検索できます。

 
 
こどもの行動観察

1.安心感がないとその後の支援や来所そのものが困難になることが予想されます。また、保護者の信頼を得ることも困難になります。 


<準備する遊具の例> 
*暦年齢にかかわらず、幅広く用意します*

・対象児のお気に入りの玩具(事前情報を得ておくことが必要!)
・音や光の出る玩具や感覚遊びのできる玩具
・身体を動かして遊ぶことのできる玩具(ボールetc.)
・人間関係を表現できる玩具(ぬいぐるみ、動物や人の人形etc.)
・具体的な意味をもった玩具(ままごと、車や電車etc)
・抽象的な意味をもった玩具(積み木、粘土、折り紙etc.)
・簡単なルールや仕掛けがある玩具(スィ、ソチ類etc.)
・複雑なルールや仕掛けがある玩具(機械類etc.)
・多様な表現のできる玩具(お絵かき道具、工作道具、楽器etc.)
・絵本やカード、ゲーム(mゲームは避ける)などの玩具 


<空間作りの配慮>

・どこで遊べばいいのか不安になるほど広すぎる空間は避ける
・ボール遊びなどができないほど狭すぎる空間は避ける

<注意> 
・口に入れると危険な物、ガラス製品、刃物などは用意しない
・倒れたり、落ちると危険なものを配置しない



2.子どもの年齢や発達の程度によっては、会話の困難な場合もありますが、基本姿勢はカウンセリングマインドです。 
・傾聴、共感、受容(カウンセリング・マインド)の姿勢
・相談室が何をする所で、担当者が何者かを伝える
・遊びに含まれる意味を幅広く捉える
・子どもの遊びを中断したり、何かを無理やりにやらせない 
・子どもと担当者のどちらも安全と安心感が必要(危険な行為は きちんと制止する)



3.主訴を中心に子どもの状態像をアセスメント(主訴と生育歴を実際の行動から確認、および器質的要因や環境的要因の見立て) 


<保護者の語りと観察場面の実際の子どもをつなげてみる>

*行動観察の視点*

・暦年齢の発達段階とのギャップ
・視覚、聴覚の使い方
・運動面の様子(粗大運動と微細運動)
・物や人とのかかわり(集中度、ごっこ遊び、ルール遊び、等)
・情緒の安定度(怒り、不満、パニック等からの回復の様相)
・日常の生活習慣(服装、排泄のサイン、食事や入浴、お片付け、等)
・コミュニケーション(発話と言語理解、身振リサインの使い方、等)
・障害種別ごとの視点   etc.

<保護者との親子関係をみる> 
親子の身体接触の程度

・べったりくっついている?
・不安な時だけ触れたり握ったりする? 
・触れるのを拒否する?    etc.

別れる時と再会した時の親子の行動や表情はどうか? 

・怯えた表情?興奮した表情?
・悲しげな表情?
・声をあげる?
・遊びや動作を止める?
・保護者に駆け寄る?離れていきたがる?
・保護者や担当者に何らかのアクションをする?  etc.

(親子が同室で相談した場合)

終了を告げた時の子どもの行動と保護者の対応


(子ども) 
・終了に抵抗する?すぐに止める?
・パニックになる?保護者に訴える?
(保護者)
・黙って見ている?叱責する? 
・子どもに片付けさせる?自分でしまってしまう? 
・子どもには無関心で、保護者担当に話し続ける?   etc.



 <解説>

1. 子どもは大人以上に「何をされるところなのか?」を不安に感じます。特に初回相談においては、そうした不安のために危険な行為やルールの破壊などの直接的なやり方をして担当者を試 すことが多々あります。 


2. 言語の未発達な子どもの場合には、遊びや行動を通して気持ちをやり取りすることとなります。遊びに見られる意味のないような行動でも、子どもにとっては気持ちを表現する重要な手段なのです。ですから、子どもの遊びや行動を適ったり、担当者がやらせたいことを無理やりにさせたりすることは極力避けましょう(ただし、自傷行為や他傷行為、危険な行為などはきちんと制止する必要があります。もちろん、担当者自身も安全感を得ることはとても重要です)。 


3. アセスメントには子どもの発達や障害に関する幅の広い知識や情報が必要とされます。担当者のカンや経験に頼りすぎず、さまざまな角度からのアセスメントが必要となる場合も多いので、保護者の同意を得て、諸検査や医療等の他職種の専門家に協力を要請できる体制を整えておくことも重要です。 

<注意>
*障害されている機能だけでなく障害されていない機能についても評価することがその後の教育相談・支援の糸口となるでしょう。
*問題行動を子どもからのサインとして捉え、問題行動の背景を考える視点が大切です。その背景を保護者に伝えるだけでも保護者の自己解決能力を促進することがあります。