心に対するアプローチには、臨床心理学等に関する知識や体験が重要といわれています。さらに、相手の心に寄り添える感受性や相手の気持ちを思いやりながら、担当者の思いを伝えていく伝達力が重要ともいわれています。こうした力をつけていくことは、教育相談担当者に求められる専門性であるに違いありません。
セルフエスティーム(Self-Esteem)とは、障害のある子どもや特別な教育的ニーズを必要とする子どもや彼らを育てている保護者が、自分が価値ある人問であり、自分を大切に思う気持ち、我が子なりの育ちを喜び共に生活する楽しさを感じることにできる自分への評価のことです。
このセルフエスティームを高めることが、特別支援学校や小・中学校における教育相談に求められる最も重要な面ではないかと考えています。セルフエスティームが低いと子どもは物事に対して投げやりになり、向上心が薄れていきます。保護者は子育てに疲れを感じ、子どもの成長に諦観を感じるようになります。 教育相談の5つ目の意義は、教育相談担当者の専門性に支えられながら、障害のある子どもや保護者等が自らのセルフエスティームを高めていくカへの支援活動を行うことにあります。