教育相談の三つ目の意義は、保護者のニーズに応じた支援活動を行うことです。
そのために、保護者の不安や悩みについて、保護者の話に真撃に耳を傾ける。保護者は不安や悩みを聞いてもらえたという体験を通して、支えられているという実感を得、心の安らぎを感じる。それが子どもとの係わりの中でゆとりあるものとなっていく。そのことで、保護者自ら自分の思いを整理していく力を得る。そうした支援が相談活動の大切な働きといえます。そして、その保護者のニーズ に応じ、その課題や問題の解決に向けて、どのような支援が良いのか共に実践していくことが重要です。
しかし、理論的にどんなに良いアドバイスであったとしても、その結果、保護者が家族や社会から孤立し、一人で頑張らないといけないようになるなら、そのアドバイスは間違っていたというしかあ りません。保護者を家庭からも地域からも孤立させない支援を行うには、保護者のニーズを知ることから始まります。保護者の話に心を傾け、共に悩みながら考えることこそ、求められることではない でしょうか。そして、そこに保護者は支えられているという実感と新たな人間関係の築きに勇気を得るのではないでしょうか。