子どもの言動が理解できない時、保護者や教員は、不満や不安の気持ちから、つい叱ったり励ましたりしてしまいがちですが、例えば、背景に発達障害がある場合などには、本人の気持ちの持ち方や努力だけではどうすることもできない場合があります。周囲からのプレッシャーがあまりに強いと、二次的障害につながる危険性もあります。
こうした事態を回避するためにも、子ども自身の学習面や生活面での強みや弱みを把握しておくことは子ども自身だけでなく、保護者や教員にとっても大切です。特に背景に発達障害があると考えられる場合には、発達検査や知能検査、心理検査などが有効と考えられますので、地域の相談機関の専門家に相談されるとよいでしょう。
基本的にはさまざまな場面における丁寧な観察が必要です。学習面、対人関係面、運動面、生活面等での言葉や行動を見てみること、あるいは家庭、学校、友人との遊び等の場面での言動を見てみる、等々、さまざまな観察が可能です。発達の問題などを心配しているのであれば、日常での観察と併せて、専門家による実態把握や助言なども有効でしょう。地域の相談機関等の専門家に相談してみましょう。
障害の程度に関わらず、子どもの行動の背景には、子どもの心理状態が関係していると考えられます。まずは、言葉にならない子どもの想いを理解してみることも重要です。ただし、他人や自分自身を傷付けてしまう行為については、毅然とした態度で止める必要があるでしょう。
日頃から、周囲の大人が社会のルールや枠組みを示して、善悪の基準や判断を学ぶ機会を得られるように関わっていくことが必要です。その際には、子どもの障害の程度に応じた、言葉掛けや道具(教材等)の工夫をして、分かりやすく教える必要があります。
暴力行為等の緊急性が高い場合には、一人で悩んで抱え込まず、学校の教員、児童相談所の福祉相談員、地域の保健師、教育相談機関等の専門家に援助を求めることも重要です。