乳幼児の聴力測定には行動観察による聴力検査(表1)と他覚的聴力検査と呼ばれる音に対する脳波を測定する事で聴力を測定する検査(表2)があります。
行動観察による聴力測定は、耳鼻科のある子ども病院や聾学校(聴覚特別支援学校)で受けることができます。また他覚的聴力検査は耳鼻科のある子ども病院などでうける事ができます。
表1 行動観察による聴力検査
表2 他覚的聴力検査
重複障害児の聞こえの検査には、乳幼児の検査と同様に行動観察による聴力検査と他覚的聴力検査が用いられます。どちらか一方で判断すると言うことではなく、両方の検査を行った上で、実際の生活の様子を勘案しながら判断することになるでしょう。
検査が受けられる場所については前項の 乳幼児の聴力検査はどこでできるのでしょう? を参照してください。
子どもの補聴器装用は言語聴覚士がいる病院で可能です。ただし、標準純音聴力検査の実施が難しい子どもの場合には、乳幼児の聴力検査はどこでできるのでしょう? で述べたような行動観察による聴力検査などで聴力検査をする必要があり、主に大人を対象とした病院では難しいかもしれません。
その場合、聾学校(聴覚特別支援学校)や子ども病院などで行動観察による聴力検査が可能な機関で聴力を測定した上で、補聴器を装用することになります。
また、補聴器の購入にあたって、補装具の支給制度を利用する場合には、医師の診断の上、障害者手帳の申請と医師の意見書が必要になります。医療機関には何らかのかたちでかかっている必要があると思います。
聴覚障害があるとわかった場合には、近くにある聾学校(聴覚特別支援学校)か難聴幼児通園施設に行くと良いでしょう。
両者とも、定期的に通い、スタッフが直接子どもに関わる他に、保護者に対して日常生活でのかかわり方や言葉の働きかけの仕方などを指導します。