保護者の方の駐在が終えられ、日本に帰国されるとき、帯同された子どもの進学・編入先をどうするか大きな問題です。このことを解決するにはいろいろな点から考えることが必要です。日本での住居が渡航される前と同じであるなら、地元情報はすでに持っておられると思います。特に、小学校に在学途中で渡航された場合は、元いた学校に戻られることが多いでしょう。かつての担任の先生や知り合いの先生を通じて帰国の対応を考えらればいいと思います。もし、幼児期に渡航されて就学経験がないまま日本に帰国される場合、教育委員会学務課や教育センターで教育相談を受けられ、就学先についての情報や相談をされるといいでしょう。
日本での住居が渡航前と違い、はじめての地域へ帰国される場合、その地域の特別支援教育についての情報やその配慮を受けることができる学校情報等について、その市町村の教育委員会にお問い合わせになるか、HPを開かれるといいと思います。
特別支援学校に関しては都道府県教育委員会へ問い合わせられるといいでしょう。
高校進学の場合は、入学試験のための情報を収集する必要がありあります。都道府県によって、高校入試制度が違っています。できるだけ早く、都道府県の教育委員会学務課等に相談されるといいでしょう。また、入試の期日や方法も問い合わせされる必要があります。また、子どもの学力について見極めも担任によく相談されることが必要です。
現地の相談機関は、現地の言語で、現地の制度の中で行われています。ここでは、障害児の対応等について積極的に調査し、活動している親の会やNPO法人を紹介します。これらの会から海外の相談機関情報を集めてください。
≪非営利自主活動グループ「Group With 」≫ https://www.groupwith.info/
海外での生活を体験した母親たちの自主活動グループであり、2002年4月より東京で活動を開始しています。海外で育つ子どもたちやその家族が、様々な出会いや体験を通じて異文化に適応し、充実した生活を送ることができるよう応援しています。以下の情報が得られます。
また、このWebには、「海外相談機関リスト」(最終更新日2012年5月)として、「2012年度日本語で受けられる海外メンタル相談機関」窓口の一覧があります。
海外で障害児と暮らすための情報(たとえば、JDSNダウン症関連・国際情報リンクページ http://jdsn.ac.affrc.go.jp/kaigaids.html 等も参考になります。
海外滞在経験のある母親達によるボランティア団体(たとえば、フレンズ 帰国生 母の会、関西帰国生親の会「かけはし」)等が教育に関する情報提供や相談にのっています。
Group OZは1997年7月タイ国バンコクで「こどものことばの発達を考える会」(すくすく会のグループ)として発足された日本人会の婦人部の活動と聞いています。育児に関して互いに相談しあったり、情報交換をしたのがその始まりのようです。現在では、障害を持つ子どもと海外で暮らすための準備と心構え等の情報提供や現地の特別支援教育情報や日本人学校の情報提供をしています。
各地に、このようなグループやボランティア団体があると思います。日本人会のサークル活動等の情報も参考にして、貪欲に情報を集めてください。
海外に就学される子どもを帯同する場合、公益財団法人海外子女教育振興財団を相談される必要があります。教科書は行かれる日本人学校で使用しているものが給付されることになっていますし、それ以外の情報を得ることができます。
財団法人海外子女教育振興財団は
東京事務所
〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-4 愛宕東洋ビル6階TEL: 03-4330-1341(代表)FAX: 03-4330-1355<業務時間> 月~金曜日:午前9:30~午後5:30(祝日・年末年始を除く)
〒105-0002 東京都港区愛宕1-3-4 愛宕東洋ビル6階
TEL: 03-4330-1341(代表)
FAX: 03-4330-1355
<業務時間> 月~金曜日:午前9:30~午後5:30
(祝日・年末年始を除く)
関西分室
〒530-0001 大阪市北区梅田3-4-5 毎日新聞ビル3階TEL: 06-6344-4318FAX: 06-6344-4328<業務時間> 月~金曜日:午前9:30~午後5:30(祝日・年末年始を除く)
〒530-0001 大阪市北区梅田3-4-5 毎日新聞ビル3階
TEL: 06-6344-4318
FAX: 06-6344-4328
近年海外から日本に来られ、長期に滞在される方が増加していると言われています。こうした方に帯同して日本に来る子どもたちの教育は大切なことです。日本にはこうした子どもの教育を保障するために「日本語教室」が小学校等の中に設置されています。各地の教育委員会でその場所をお聞きになってください。そこでは、日本語の習得を支援する授業等が行われています。
また、ご両親のどちらかが海外の方で子どもの言語教育をどうしようかご心配になっておられる方もいると思います。日本の学校に就学しているのなら、子どもが日本語を理解し、ある程度話せないと授業が分からなかったり、友達ができなかったりと困ることが多いと思います。日本語を第2外国語としてでも教育することが必要ではないでしょうか。また、将来に渡り、長く日本で過ごされるなら、日本語を習得できるよう努力する方がいいでしょうし、いずれ母国に帰る予定をされているのなら、母国語も忘れないように指導しておく必要があろうかと思います。
海外での生活が長く、現地語での生活が主流となったため、帰国後日本語での学習等に困難が予想される場合、各地に帰国子女のための教育や生活支援を行う「日本語教室」が開設されているので、就学された学校の校長先生や地域の教育委員会に相談され、この「日本語教室」で指導を受け、生活や学習に支障のないように配慮されることをお勧めします。
また、言語発達に遅れがある子どもの場合、その状態や発達の様子によって受ける支援は異なってきますが、就学される地域の教育委員会や教育センターの教育相談室で相談され、通級指導教室等でことばの指導を受けられることをお勧めします。