本研究所では、研究活動等の成果の普及や、教育現場等関係機関との情報の共有を図るために、毎年、「国立特別支援教育総合研究所セミナー」を開催しています。今年度は、「インクルーシブ教育システム構築に向けた特別支援教育の推進~21世紀を生きる子どもたちの可能性を最大限に伸ばすためには~」をテーマに、平成29年2月17日(金)、18日(土)の2日間、国立オリンピック記念青少年総合センターを会場に実施しました。

開会式にて挨拶する宍戸理事長

 

  一日目は、開会式、第30回辻村賞授賞式、研究成果報告、全体会を行いました。

 研究成果発表では分科会形式により、「第1分科会 アクティブ・ラーニングを通した資質・能力の育成―次期学習指導要領の改訂の動向を踏まえた知的障害教育の展開―」、「第2分科会 自閉症のある子どもの自立活動の授業を組み立てる上での要点 ー実態から子どもにつけたい力(目標)を考えるー」、「第3分科会 ことばの教室がインクルーシブ教育システム構築に果たす役割―言語障害教育の専門性を生かす取組―」について、それぞれ発表と質疑応答等が行われました。また最後の全体会では、菊池桃子氏(文部科学省 初等中等教育局視学委員)より来賓ご挨拶を頂きました。

 一日目の様子

 

  二日目は、天笠茂氏(千葉大学特任教授、中央教育審議会教育課程企画特別部会主査代理)よりご講演頂いたのち、明官茂情報・支援部長の司会進行により本研究所の宍戸和成理事長と天笠茂氏との対談形式で、新しい学習指導要領の最新動向や特別支援教育に関する動向について理解を深めました。また、今回新しく企画した合理的配慮ミニ講座では、合理的配慮や基礎的環境整備の定義等ついての簡単な説明の後、幼稚園・保育所等、小学校、中学校、高等学校という学校段階毎に合理的配慮の例についての紹介がなされました。研究所の新しい取組の紹介では、勝野頼彦理事より、特別支援教育の充実に繋がる学校現場に役立つ情報ツールとして、(1)研究成果を学校現場等へ還元するための資料として、研究成果サマリー集・リーフレット等が、また(2)教員の専門性向上のための支援として、研修事業、講義配信、免許法認定通信教育について、さらに(3)教育活動への支援として発達障害教育情報センター、支援教材ポータルサイト等のWEBサイトの活用について紹介がなされました。また原田公人インクーシブ教育システム推進センター長より、インクルーシブ教育システム構築支援データベース(インクルDB)、地域実践研究、国際動向調査のインクルーシブ教育システムの構築に寄与する活動について紹介されました。

二日目の様子(午前)

 

 午後からは、昨年度の研究終了課題についてのポスター発表・ICT機器や支援機器展示等において、参加者との活発な質疑が行われました。シンポジウム「インクルーシブ教育システム構築におけるインクルDBの活用の意義」では、本研究所のインクルDBを教員研修に活用している事例等が紹介され、今後のイ ンクルーシブ教育システム構築支援をどのように進めていくかの議論がなされました。

二日目の様子(午後)

 

 本年度初めて土曜日にもプログラムを設けましたが、定員を上回る約900名の参加があり、活発に協議を行うなど、無事成功裏に終了することができたものと思います。 

満員となった会場の様子